テーマ:旅のあれこれ(10280)
カテゴリ:四国の旅
屋島の戦いの名場面、 平氏軍から美女の乗った小舟が現れ、 竿の先の扇の的を射よと挑発。
受けて立ったのは源氏の那須の与一。 海に馬を乗り入れたかと思いきや、 弓を構え「南無八幡大菩薩」と唱え、 見事に扇の柄を射抜いた。
矢は海に落ち、扇は夕日の空を舞いあがった。 平家物語の名場面、「扇の的」 この美しい夕日を舞台に、 赤い日輪の扇が、白波を浮きつ沈みつ漂うさまは、 戦陣にあっても興趣を忘れない、 敵味方両者の美学を彷彿とさせます。
確か30歳のはじめ頃。 いきいきとした登場人物の魅力と小説の面白さにはまり、 全巻を夢中で読み終えてしまいました。 この世の無常というものを、 まだ若かった私に全編を貫いて、 痛烈な印象をもって教えてくれた作品です。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を顕はす。 奢れる者久しからず、ただ春の世の夢の如し。
屋島悠久ロマンの夕暮れ。
平安末期の壮大な叙情詩、平家物語の落日。
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Last updated
2012.12.06 18:10:46
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