|
カテゴリ:生徒君の話
私は昨年まで、副業として英会話クラスを開いていた。
生徒は大学生や大人ばかりで、すべてプライベートクラス。 実は私、大学卒業後から就職するまで1年ほど英会話講師を経験している。 以来、教えることの喜びを知ることに。 だからこのクラスは、“本業の片手間”とはいえ、 自分自身心底楽しいと思ったし、 幸運なことにずっと良い生徒たちに恵まれていたのだ。 しかし、今年に入ってからもうやめることにした。 第一の理由は、本業が忙しくなったから。 それに、今まで来ていた生徒達が就職や転勤などで 遠くに行ってしまったので、ちょうど潮時かなと思い。 すると、ある子が、習いたいと言ってきた。 初めは、断るつもりだったが、 その前に理由だけでも聞いておこうと思った: 「あなたは何故、英会話をしたいのか?」 その子の答えは、 「アメリカに行きたい。そして、自分を変えたい・・・」 私は基本的に、このような考え方には反対だ。 本当に自分を変えたいのなら、人生をもっと輝かせたいのなら 今自分が置かれた環境で頑張らなければならない。 他の土地や国に行っても、自分は自分。 勿論、新しい場所では未だ体験したことのない刺激や驚きがあるので 「心が晴れた」とか、「自由になれた」と感じるかもしれないけど。 しかし、それで「変わった」ことになるだろうか? 新しい土地や国は、人を変えてはくれない。 自分を変えてくれるのは、自分自身だけ。 だから逃げてはいけない。 立ち向かわなければ、今の環境で・・・ ということで私は、 「甘い!アメリカに行ったからって そう簡単にあんたは変わらんぞ!」と言ってやろうと思ったのだが・・・ その子は、綿密にプランを立てていたのだ。 いつアメリカに行くのか、どの州に行くのか、どの街で暮らすのか。 その街でのホームステイ先も。アメリカに行って“何”をするかも。 すべて、計画済み。しかも、必要な資金までも貯めていた。 「ペラペラになりたいと言ってるのではありません。 ただ、必要な基礎語学力を付けたいのです。 先生は、アメリカンスクール育ちだし、アメリカにも住んでたから、 文化のことについても学びたいんです。」 ここまで真剣な気持ちを否定できますか? たとえ、私の考えと異なっていても。 たとえ、私が無理だと思っていても。 「出発日はいつ?」と聞くと、 「半年後」と答えた。 タイムリミットは、6ヶ月・・・ よし! 引き受けましょう。 この短期間で、あなたの会話力を上げてみせます。 ついでに、いろんな発見もしましょう。 こんなに英語って簡単なのか! こんなに英語って楽しいのか! こんなに自分に向いている言語なのか! そのような感情を通して、あなたに“自信”をつけてみせます。 あなたに足りないものは、ただそれだけだから。 アメリカへ出発する頃にはきっと、あなたはもう変わっているはず・・・ 先生に、任せなさい! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年04月18日 14時35分29秒
[生徒君の話] カテゴリの最新記事
|