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カテゴリ:シリアスな話
金メダリスト、荒川静香。
メダル獲得数ゼロのまま、後味の悪さだけを残して トリノ・オリンピックが終わってしまうのではないかとの懸念を 彼女は自らの快挙で見事に払拭してくれた。 私の目に映る彼女は、美人ではない。 顔立ちも整っているとは言えない。 ただ非常にスタイルの良い、背の高い日本人のはずなのに・・・ なぜ、こんなに“美しい”と感じるのだろう? まずそれは、彼女が垢抜けているからではないだろうか。 モデル顔負けの八頭身がそれを可能としているのは言うまでもないが、 “自分”を理解し尽くしていることも大きな要因かもしれない。 決して流行を追うのではなく、自分に似合う化粧法や 長所を引き出すデザインや色の衣装を身にまとう。 つまり、彼女は自身の魅力をアピールするのが天才的に上手い。 また、彼女には華がある。 スケーターの中では、もっと美人な選手は何人もいる。 しかし、彼女がリンクに登場しただけで空気が一瞬の内に変わり、 踊っている間の彼女はまるで女神そのものだ。 人々の目は彼女に釘付けになり、他の美女共など目に入らない。 “目立つ”と一言で片付けるのはあまりにも浅はかなのかもしれない。 人の目を引く“何か”が彼女の中に存在するのだから。 そして、何よりも、彼女は挫折を味わった人間だ。 “宮城の天才少女”として注目を浴び、 16歳で長野オリンピックに挑んだが 2002年のソルトレーク大会は代表選考からもれる。 2年後の2004年の世界選手権で優勝するものの、 その後もまたスランプに陥る。 国内で若いスター選手が脚光を浴びる中、 彼女はどのような思いで過ごしてきたのだろう。 だからこそ、今回の金メダルは黄金に匹敵するほどの価値があるに違いない。 試練を体験した者、苦しみを味わった者には 人間としての深さが養われる。 辛い道のりの中、それでも目標に向って歩み続けるひたむきさは、 内なる輝きをより一層増してくれる。 彼女の“美しさ”は、そこから来るのではないだろうか。 だからこそ彼女は“美しい”のではないだろうか。 今期で引退し、プロに転向する荒川静香。 とはいえ、まだ24歳。 これからもスケートで人に感動を与えて行く中で、 彼女はまたどのような“美しさ”を披露してくれるのだろう・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年02月25日 01時15分34秒
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