生徒君(カテゴリ参照)が今日、レッスンに来た。
アメリカ行きの日程が決まったらしい。
彼が通うことになる語学学校は、9月中旬から。
ということで、9月の頭に渡米。
約1年間、あちらで生活することになる。
GOOD LUCK, 生徒君・・・
なのだけど。不安なことが、一つ。
実は、生徒君の英語レベル。伸びてない!
英会話を始めて4ヶ月が経過するのだけど、
私の経験上、3ヶ月目で誰にでも“進歩”の兆候が必ず表れるはず。
しかし、生徒君の場合、残念だけど・・・
何が原因なのだろう?
実は私、分かっているのね。
でも、口が裂けても、生徒君には言えない。
死んでも言ってはならないことなのだ。
それは・・・
センスの問題。
ガックリくるかもしれないけど。これ、本当にあるんです。
要は、“センスが有るか無いか”ということ。
これまで、何人もの生徒達に英会話を教えて来たけど、
2~3回目のレッスンで、「あっ、この子英語のセンスあるな」
もしくは、「う~ん、この子は、ちょっとイマイチかも」と、ピンと来る。
では、英語のセンスがなければ、習ってても意味がないのだろうか?
いいえ!決してそんなことはない!
“センスの無さ”を回避できる方法は、一つ。
それは、“やる気”。
つまり、“努力に勝る才能はない!”の一言につきる。
生徒自身が「え~ぃ!クソ~ォ!やってやる!」って勢いになれば、
ぐんぐんと伸びて行く。これ、保証できます。
では、生徒君は?やる気がないのだろうか?
いや、そうではない。やる気は、人一倍ある子だ。
ただ、少しソフト過ぎるのかなぁ。
ちょっと自信が着いても、それを持続させる“勢い”が無いのだ。
私は通常、生徒達にはスパルタ式。だから、この子にもそうしようと思ったのだけど。
ガラスのように繊細な彼には、この指導法が不向きと即判断。
だから、優しく、優しく。時には、ジョークで笑わせたりして、
腫れ物に触れるように、優しく接している。
「ほんと、私のキャラじゃないよなぁ。まったく・・・」と、思いつつ。
しかし、“優しさ”だけでは成果はあがらない。
特に、短期間で結果を出さなければいけない場合は。
どうしたら良いのだろう?
私にはやはり、このような指導法、向いてないのかな?
生徒君自身も、気付いたのだろう。
今日、こんなことを聞いて来た:「先生、僕ダメなんじゃないかなぁ?」
心を見透かされたみたいで、内心慌ててしまった。
しかし、私はすぐに冷静さを繕い、こう答えた:
「ちょっと、待って。先生は、誰?私でしょ?
私が大丈夫って言ってるんだから、何を心配してるの?
私には、あんたの進歩、見えてるよ!」
すると、生徒君の顔がパ~ッと明るくなり、
「よし!頑張るぞ!来週もよろしくお願いします!」と言って、帰って行った。
“優しさ”だけでは、確かに何も起こらないかもしれない。
しかし、この場合・・・
“優しさ”が、彼の気持ちを少しでも救ってくれるのなら、
“優しさ”が、彼のおとなしさに少しでも勢いを与えるのなら、
“優しさ”が、彼に今まで以上のやる気を起こすのなら、
私が指導法を変えるのなんて、たやすいご用だ。
センス云々なんて、クソ食らえだ!
そして・・・
奇跡を起こしてくれるのなら、私はこのように、
何度でも“優しい嘘”をつこうと思った。