無性に“ローソンのからあげクン”が
食べたくなって、仕事中なのに
買いに行っちゃった食いしん坊。
はい、それ。ワタクシのこと~。
ということで、カラアゲ。
そう、カラアゲといえば、私にはどうしても
思い出さずにはおられない出来事がありまして。
忘れもしないわ、あの居酒屋・・・
時をさかのぼること数年前。
私は何人かの友人たちと、
近所の居酒屋へ行くことに。
初めて足を踏み入れるそのお店は、
ご夫婦2人で切り盛りしているところ。
ダンナさんも奥さんも朗らかで、
雰囲気もこじんまりとしてて、
穴場チックな感じでなかなか良かった・・・んだけど!
食べ物が、イケてなかった~!(涙)
まず、だし巻きは、ただの堅い卵焼き。しかも、卵の味しかしない。
それに、サラダのドレッシングが酸っぱすぎた。
フレンチドレッシングだと書いてたけど、材料は酢と油だけのよう。
それも99%お酢で残りの0.1%が油の悲劇とも言える割合。
おつまみの枝豆でさえ、ゆがきすぎてて、黒ずんでシワシワ。
一応食べてみたけど、「これは新種の枝豆ですね~!」だなんて、
心の広いこと言える私じゃないから。あえなく、ギブアップ。
漬物はまだ大丈夫だろうと思いきや、見るからに漬かりすぎてて、
「納豆のほうが、全然マシ!」と断言できるほどイヤ~な発酵系の臭いがするし。
という具合に、ダメダメ尽くしの食べ物が次々と出てきたんだけど、
極めつけは、なんてったってお造りの盛り合わせ。
当たり前の当たり前だけど、生の魚は新鮮さが命でしょ?
しかし、目の前に出されたのは、魚屋でない素人の私が見ても
「古い?」と不安を煽られるようなシロモノ。
これは、美味しいや不味い以前の問で、
「これ食べたら、30分後に私は救急車で運ばれるのでしょうか?」と
生まれて初めて生命の危険を感じさせられた。
じゃあ、この際。思いっきり火が通っているものを注文しよう。
それなら、危険はないだろう。少なくとも、病院送りにはならないはず。
ってなワケで、もうここらでこの居酒屋に見切りをつけたら良いのに、
私は最後の賭けに出てしまった。
そうだ、アレを頼もう!
アレなら、大丈夫だろう。
どんなにショボイ居酒屋だって、どんなに怪しいお店でも。
アレを失敗することはないだろう。
美味しくなくたって、アレなら!ア・レ・な・ら!
どの店だって、少なくとも“食べられる味”という水準をキープできてるはず。
そうだ、アレ!アレだ!
「すみませ~ん!カラアゲ一人前お願いしま~すっ!」
待つこと10分少々。
そして、揚げたてのカラアゲがテーブルに運ばれた。
いかにも美味しそうで、肉厚で、ジューシーな感じ。
「ようやく、当たりだぁ~」なんて呑気に喜びつつ、
カラアゲを一つ、口に放りこんだ。
そして、その味が口中に広がった・・・その瞬間!
「にっ、にっ・・・!」
心の叫び: 「嗚呼、神様!これは一体、何ですかっ!?」(驚)
「うっ・・・にっ、にっ、に~っ!」
心の叫び: 「嗚呼、神様!これは、ただの悪い夢ですよね!?」(驚愕)
「にっ、にっ、にっ・・・ひょぇ~!!」
心の叫び: 「嗚呼、神様!これを飲み込める勇気を私にください!!」(涙)
「にっ、苦~~~~~~い!!!」(号泣)
心の叫び: 「おい、店主!客の味覚をなめとんか~っ!!」(激怒)
その時点で私の眉間のしわレベルが、“愛のエプロン”の
武内アナよりも遥かに勝っていたことは間違いなし。
もはや私は、居酒屋で友人たちと食事を楽しむ一人の客ではなく、
気分は、趣味の悪い罰ゲームに引きずりこまれた出川哲郎のようだった。
それ以来、私があの店に二度と足を運ぶことがなかったのは言うまでもない。
余談だけど、あの夜一緒だった友人の誰一人もが、
ほんと不思議なことなんだけど、そんなに問題を感じなかったみたい。
驚くことに、「特別美味しくなかったけど、そこまで酷かったか?」だってさ。
えっ、なんで?なんで?気は確か?あなたたちの舌、大丈夫?
よほど毎日、とんでもないものを食べてんのかぃ?
あれ?それとも、おかしいのは・・・ワ・タ・ク・シ?
挙句の果て、「大げさだ」だの、「デリケートすぎる」など
レッテルを貼られ、踏んだり蹴ったりだった。
何はともあれ、居酒屋に行く人には大きく分けて2タイプあって、
飲みに専念する人と、食べ物を楽しむ人。
だから、友人たちはおそらく前者であって、私は後者なのだろう。
もう、面倒くさいから、そういうことにしておこうっと。
さて、あの衝撃的出来事から月日が流れた現在。
近所だからということもあり、私は結構あの居酒屋の前を通ることがある。
で、世界の七不思議の第8番目に値するほどのビックリなのだが。
あのお店、まだやってんのよねぇ。細々とだけど。
何度も、「勝手ですが、しばらく休業します」という張り紙を貼っては休み、
また再開し、また休んでは新たにオープンしたりと、その繰り返し。
まあ、味覚も十人十色ということで。
これからもドッキリ料理で頑張ってくださいな。
でも、ごめんなさい。再度トライしたいとは思わない、絶対に。
だって、私はそこまでのチャレンジャーではないからね。(笑)