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私は、小説が書けない

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神戸にある某公立高校。仮にX高校と言います。ここは昔から英語教育に力を入れていて、国際科があるぐらい。ここの卒業生の殆どは、外大へ進学するらしい。

私の知り合いの娘さんは、小学校の低学年からとにかく英語が好きで好きでたまらなかったそうだ。別に親が必死になって英語の環境を整えていたワケじゃないし、子供英会話教室にも通ったことないのに、自ら英語に興味を持ち、中学生になった頃には、X高校に行くのが夢となりました。そして、今春。彼女は見事、X高校の生徒に!とても楽しい学生生活を送っているそうだ。

その彼女が先日TELしてきて、「abimegさんにインタビューしてもいいですか?」と。何のインタビューかと聞くと、「職業インタビュー」とのこと。どうやら、夏休みの宿題らしく、自分が興味のある職業に既に就いている大人にインタビューするのが課題だそうだ。

ってなワケで、本日。彼女はお母さんと一緒に我が仕事場に来ました。色々と聞かれましたよ。例えば、「高校生の頃は、どんな学生でしたか?」えっ・・・一瞬、言葉に詰まったよ、まったく(苦笑)。まさか、幾らなんでも正直に、「授業中、先生の似顔絵を描いて友達とキャッキャ笑ってました」なんて答えられないやん。けれども、嘘もつけないし。だから、「好きな授業には熱心だったけど、数学がかなり苦手な子だったなぁ」と真実だけど同時に無難な返事をした。すると、次の質問は、「高校生の頃の趣味は?」これには、「本を読むことが好きだったので、図書館に行ってたくさんいろんな本を読みました」と答えた。(ちなみに、これ。嘘じゃないからねっ!笑)すると、「だから、言葉を扱う仕事に今就いているんですか?」と。あ、そっか。そうかもしれない。きっと、そうだわ。自分であまり考えてみなかったことを気づかせてくれてありがとう。

質問は、学生時代の話だけでなく、現在の私についても及んだ。例えば、「今のお仕事で大変だと思うことは?」そりゃねぇ、自営業だから。お給料をもらえるワケじゃないし、稼ぎたい分は自分で仕事をゲットして頑張らなきゃ・・・と言いかけたのだけど、それじゃあまりにも夢のない返事だと思った私は、こう答えました。「自営業だから、体調管理と時間の管理を特に意識し、気をつけないといけないことかなぁ。」

インタビューは1時間ぐらいでした。高校生とは言え、かなり真剣にいろんなことを聞かれた。これを元に、レポートを提出するとのこと。おまけに、インタビュー対象者の写真を添えなければいけないので写真を撮りたいと。ワタクシ、写真写りが悲しいほど最悪な人間だから、一瞬うろたえましたが。次の瞬間、「そう言えば、最近撮った証明写真で奇跡的にまともに写っているのがあったわ!」と思い出した。おぉ、セーフ(笑)!と言うことで、それを一枚あげました。

レポートが出来たら、読ませてくれるんだって。楽しみなんだか、恥ずかしいんだか。よく分かりません。けれど、この体験を通して一つ分かったことは・・・

大人になると、見られているんですよね。自分が気づかなくても。だから、責任を持って行動しなければ。この高校生の彼女だって「将来は英語を扱う仕事に就きたい」のだとか。全国には掃いて捨てるほど英語を扱う仕事に就いている人がいるけれど、まだ16年しか生きていない彼女の小さな世界では「そういう人」=「私abimeg」。だから、ティーンエイジャーの夢を壊すような言動を取ってはいけないなぁと思いました。

帰って行く前に、それまでずっと彼女の傍で黙って聞いていたお母さんが口を開いた。それは、このインタビューと無関係だったし、私がまったく予想もしていなかったこと。「娘が、彼氏が欲しいと言うんですけど。どう思われます?」

え~っ!?何でそんなこと私に聞くの!?きっとお母さんは、「高校生は付き合わなくて良い」という返事を期待していたと思う。けれど当の本人は、「もう16歳なんだから、彼氏ぐらい作ってもいいじゃない」という後押しを希望していたに違いない。

高校生の彼女と、そのお母さん。どちらもハッピーにさせる返事は?さて、abimeg。どうする!?

少し考えた後、私はこう言いました。「人を好きになるのは当然の気持ちだし、彼氏を作ってもいいと思うのよ。だけどね、高校の3年間、彼氏とべっとりだった子は、振り返っても、彼氏との思い出しかないの。私が高校生の頃は誰とも付き合ったことなかった。だからこそ、学生時代を振り返ってみると、友達と作った数え切れないほどの楽しい思い出があるよ。」

おそらく、これが。この日、私から出た一番まともな返事だったかもしれない(笑)。






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最終更新日  2008年08月08日 10時35分42秒
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