幾度とこのブログに書いているので、私が大相撲ファンってことは周知の事実だと思う。テレビ観戦は勿論のこと、生で観にいったことも何回もあります。とは言え、大阪場所の大阪府立体育館にしか足を運んだことがない。機会があれば、九州場所や名古屋場所にも是非観戦しに行きたいと思います。そして、何よりも。大相撲の聖地である東京は両国国技館で力士たちの激しい戦いをこの目に焼きつけたい!いつか、きっと!どなたか私と一緒に行きません?(笑)
さて、本日。その両国国技館にて大相撲の歴史にまた新たな1ページが加わりました。1敗同士で並んだ横綱・白鵬と大関・日馬富士との優勝決定戦。しかし、この両者が千秋楽で優勝争いを繰り広げたのは、何もこれが初めてではありませんでした。忘れもしない去年11月の九州場所。その時、1分25秒の熱き戦いを制したのは、横綱・白鵬。四股名が当時は安馬だった日馬富士の無念な表情が今でも目に浮かびます。
しかし、今回。勝利の女神が微笑んだのは、その日馬富士でした。がっぷりと組んだら、体格の差で必ず不利になってしまう。しかし、ここで「変化」(ヒラリとかわして相手を叩き込む戦法。フェイントみたいなものね!)などすると、それは卑怯な作戦。でも、勝ちたい。今度こそ、何があっても横綱を倒し、優勝杯を我が手に納めたい!仕切りの最中、軽量な大関の脳裏にいろんな思いが巡ったことでしょう。結局のところ、彼は真っ向勝負を選びました。けれど、ただがむしゃらにぶつかり、しがみつくような無謀な策ではなかった。どうせ力で負けてしまうのなら、技で挑もう。過去に技能賞を何度も受賞した大関は、この優勝決定戦でもまた、これまで努力で培ってきた「技」を最大限に活かしたのです。
優勝インタビューの際、何を聞かれても口から出てくる言葉は、「嬉しいです!」ばかり。語彙が乏しいと言えばそれまでだけど。しかし、これが彼の正直な気持ちなのです。「嬉しい」以外の何ものでもない。ただただその感情が心から止め処なく溢れ出ていたのでしょう。
こぼれんばかりの笑み。いつもの勝負師の表情とは勿論異なる。「こんなに優しい顔をしている人なんだ・・・」その意外と綺麗で整った白い歯が、とても印象的でした。
スカウトされた頃は16歳で80キロしかなかったモンゴルの少年は、今。「綱取り」という新たな目標に向って突き進む。2008年の大関昇進伝達式の言葉通り、明日からもまた「全身全霊」で稽古に励むのでしょう。