好きなアーティストの少年時代(もしくは少女時代)ってどうだったんだろ?ファンならきっと興味あるはず。知りたくないはずがない・・・
今日、映画「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」を観てきました。私は、小学生の頃からのビートルズ・ファン。特にジョン・レノンが大好き!ってなワケで、この映画。見逃せるはずなかった!だって、ジョン・レノンの少年時代のストーリーなのだから。
で、感想は!?
ジョン・レノンのファンは、必見!観なきゃ損どころの騒ぎじゃない。観るべし!です。というのも、これほど絶妙にジョンの人格が形成された時期を描かれた作品を観たことがない。この映画の監督もきっと筋金入りのレノン・ファンに間違いない。
有名な話だけど、ジョンには2人のお母さんがいます。生みの母親と、育ての母親(実の伯母さん)。彼女たちは姉妹なのに、性格も生き方も対照的。後のジョンを知っているファンは、気づいたはずだと思います。彼は厳格な伯母さんからも、自由奔放なお母さんからも少しずつ性質を継承したのだと。そして、生みの母親を通し、ロックンロールに目覚めます。
このように、メインとなるストーリーは、この2人の女性とジョンの関係。しかし、ファンにとって嬉しいことは、サイドストーリーとして、ポール・マッカートニーやジョージ・ハリスンとの出会いも描かれていること!特にポールとの出会いは、ジョンにとって必然のもの。というのも当時、ロックンロールしてるヤツって不良だったのに、ポールは大人しく真面目。だけど、ギターが上手い!そんなポールと、不良少年だけどリーダーシップのあるジョンの魂が見事にコラボしたんですね。それが、そのずっと後のビートルズの発端となるワケ。
キャスティングも見事で!どの役者もすごくそのキャラにぴったりでした。特に、主演のアーロン・ジョンソン(写真)には魅了されました。だんだんとジョンになってゆくのだもの!この俳優、これからすごく伸びそう。
先ほど、「ジョン・レノンのファンは、必見!」と書いたけれど。ビートルズやジョンをよく知らない人でも、バンド活動をしている人、音楽をしている人にも是非観て頂きたい。きっと、共感できるところ多いと思います。
私が個人的に感じたことは、どうしてジョンは後にオノ・ヨーコという女性を愛したのか?それが分かったような気がしました。すべて2人の母親との関係にルーツがあるんですね。ジョンはずっと母親の愛を求めていて、ある意味、彼の理想の母親像は、オノ・ヨーコだったのかもしれない。そして、ビートルズ解散後にジョン・レノンという一人のアーティストになった頃、「愛こそすべて」をテーマにして数々の名作を生むワケなんだけど。それも、全部ジョンの少年時代の体験や思いがベースにあるんだと知りました。
人の歴史というのは、ただの時の流れではなく。その人そのものを形成するのだと。この映画は、教えてくれたような気がします。