Drolma, Choying & Steve Tibbets “Selwa”
ヨガや瞑想用のなんか良い音楽ないかね?と聞かれたら、「ヨガのコンピレーション物だけはオススメしないよ」と答えることにしている。そしてまた私は天邪鬼ときているので、「そんならアシッド・ハウスものでも如何かね」とマジで答えることにしている。そうすると大抵、聞いた相手を間違えたな、と思ってもらえるので、安心して「ヨガや瞑想に音楽なんて必要ないじゃん」と、本音を言うことができる。それ以前に、だいたい普段ロクに音楽探求もしないくせに、簡単に「ヨガや瞑想っぽい雰囲気のある音楽」を手に入れようなんてのが、間違ってます。自分の求める音楽と出会うには、それなりの時間と投資とお勉強が必要なのだー(ブンブンと力が入る!)、という憤りも実はあるのだ。しかし、オリエンタルでスピリチュアルでココロにある種の戦慄を与えてくれる良質の音楽、という意味ならハナシは別よ。ということで、最近オンガク関連の日記を書いてないので、しばらくは「そのへん」のオススメCDを紹介します。Drolma, Choying & Steve Tibbets "Selwa"チベット僧とフランス人音楽家のコラボレーション、というとLama Gyurme&Jean-Philippe Rykielを思い起こす方が多いでしょう。しかし、こちらのDrolma, Choying & Steve Tibbetsは、もっと洗練された現代音楽的アプローチで、土着臭さが皆無だ。良質のTVドキュメンタリーで流れていそうな、透明感溢れるオリエンタルなエスニックポップ。お昼時のカフェでBGMとして流れていても違和感はないかもしれないね、ってくらいのさり気なさがスゴイ。私なんざ、Tahiti80と一緒のプレイリストで愉しんでるくらい。しかし「カフェのBGMコンピレーション」に収まっちゃうほどの厚顔的犯罪的オシャレさ(ゲー)とはベクトルが180度違うので、良識ある音楽リスナーでもOKです。ホント、ホント。なにより圧巻なのは、チベット女増Choyingのクリスタルのように引き込まれそうな深く透明なヴォーカルと、チベットの薄い空気の雰囲気がバシバシ漂う360度の音作りとの間にて繰り広げられる、完璧な「間合い」だ。足し算ではなく、引き算の世界観。行間ならぬ空間を読め!ってな感じ。またあるいは、イメージとしてのチベット。そのシニフェ如何で眼前に広がる世界も異なるでしょうね、とも思いますが、私的には、自然の荒々しさ、神々しさ、広大な無、ちっぽけな人間の命、祈り、隣り合わせの死、信仰、蒼い空、薄い空気・・・あれれ、どうも「薄い空気」がキーワードになっちゃうなぁ。そして、我々日本人にとって、どこか懐かしいような馴染み深い旋律が、知らずとココロ安らぐキーとなり、気がつくとマッタリとリラクゼーション入りますアルよ。アロマオイル垂らしてキャンドルの明かりで寛ぐお風呂タイムなどで聴くのにはもってこいですね。変に使い古された言葉で嫌いなのだが、いわゆる「癒し系」のオンガクとしては100点満点。ただし、「癒し系」だけを売りにしちゃうペラペラの音楽とは一緒にしないでね。http://www.choying.com/anibio.htmhttp://www.sixdegreesrecords.com/Merchant2/merchant.mv?Screen=PROD&Product_Code=657036-11042-7&Category_Code=drolma_tibbetts