ざ○お。
「アジ、グレ、イサキ、タイ、シマアジ、ヒラメ」
↑釣って生で食べられる魚、と黒板に書いてある。
地元の店の雰囲気しかわからないけど、どこも似たような雰囲気らしい。いろいろ美味しそうな料理もあるが、釣る、という行為を楽しむ店だと思う。釣り上げた海の魚をさばいて、その場でいただけるなんて、夢のような贅沢…。
店につくと、かなりの人数が待っていた。でも今晩は姫がいないので、30分待つもの楽々~♪目の前の大きな生け簀でたくさんの魚が泳いでいるのを眺めていると飽きない。
ウツボが通ると他の魚たちがサササ~~と避けていく。どちらも50センチくらいのエイとサメまで居る。これらはどうもペットらしく、釣り上げないでください、と注意書きがしてあった。座席から釣り糸をたらしているのがいくつも見える。かなりの頻度で一本締めの太鼓が鳴り響く。釣り上げるたびに店員さんたちみなが一本締めで祝ってくれるのだ。
今まで、田舎の釣堀で釣果はサッパリということがしょっちゅうだったので、その感覚でいた私たち夫婦。どうせ釣れっこないだろう、と沢山のサイドメニューを注文してしまった。釜飯二つ、マグロユッケ、サラダ、タコから揚げ…。これがそもそもの悲劇(!?)の始まり。そして、釣り上げる数を始めから規制しなかったのが、もう一つの誤り。太鼓の頻度のワケをきちんと考えておくべきだった。釣堀のように頭の良い魚に餌を取られてしまうだろう、と思ってエサ用の小エビを多めに頼んだのも失敗。なにもかもが悪い方にと転んだ気がする。
だって…
釣れる!釣れる!釣れちゃうんだよ~~!とくに「鯛」が!いの一番に釣上げたのはペン次。一本締めを自分でも打って、とても嬉しそうだ。すぐあとに続いたペン太は、恥ずかしがって遠慮すると思ったのに、やっぱり太鼓叩いてもらって嬉しそうだった。店の置くには「ひっかけコーナー」なるものがあって、幼稚園以下のお子ちゃまでも楽しめるようなところ。ペン太が引っ掛けコーナーをのぞいてくる、といった時に、絶対に釣るなよ!と釘を刺すべきだったのだ。
釣った魚が捌かれて出てくるまでが、これまた長い。でも太鼓の鳴り方や座席の数などから考えると、厨房の忙しさも十分に想像できて、腰を落ち着けて待つしかなかった。二人が鯛を続けて釣ってからは、鯛が食いつきそうになったら逃げろ、と言っておいた。私が竿を握っても、実際に鯛ばかりが食いついてくる。普通のアジが釣りたかったのに~。
食べながらこそこそ夫とお喋り。
絶対ここのお魚、鯛だけ特にえさが少ないんだと思うよ。そうね、単価そこそこに高いものね。養殖育ちだから鯛ってたぶんおバカなんだよ。大物釣上げたって客も喜ぶものなぁ。でもそうとなると誰も困る人いないじゃない、良いお店じゃん(笑)それにしても、このマグロのユッケ美味しかった~。他の料理はちょいと頼みすぎたよね。だけどイカのお造りが売り切れてたのは残念だ!云々…(これらはすべて私たちのひねくれた主観です)
…というわけで、贅沢させてもらいました。
釣果はエサの小エビ15匹に対して、鯛2匹、グレ、ヒラメ(ひっかけコーナー)、シマアジ、アジ各1匹。ちなみにエサの残り(小エビ3匹)はお隣の小さい坊やに譲った。刺身だけじゃもったいないので、鯛は残った中骨とアタマをあら煮にしたりお味噌汁にしたり。ペン太が引っ掛けコーナーで勝手に釣上げたヒラメを煮付けにするように頼んだのを知った夫は怒り沸騰!鯛のあら煮、グレの煮付け、と煮魚が続いてやっと片付けたと思ったところにどでかいヒラメが運ばれて来たのだった。「ヒラメは刺身だろう!煮付けにするのはカレイだ!高級魚だぞ、高級魚!常識も知らんのか!」
シマアジの生け作り、アタマもしっぽも動いているのを見たのは初めての子供たち。これは子供心にかなり可哀想に感じたらしい。さっきまで生きていた魚を食べている、という実感がわいたことだろう。アジの残りもカラリと揚げてもらいたかったけど、とにかくそれまでに沢山食べ過ぎてました。揚げてもらったのを持って帰りたい、と言ったら、「懐がもたん!頼む、見逃してくれぃ~」と夫に耳打ちされました…(涙)(涙)(涙)
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もともと、今日は夫のおごり、という約束。
会計をすませた夫、「こいつら、ふざけとる!もう二度と来ん!」と捨て台詞。だけど、もう一度鯛のあらのおみおつけ、食べたい~。息子たち、お年玉供出してくれないかしら。そしたらこっそり3人で行っちゃおう♪