光の村到着。ほんとに山が目の前だねえ、とペン太。夏にきたときより水路の水量は少ないので、姫が水に釘付けにならずにすんだ。
校舎の二階の窓からおはようございます!と声がする。かなり学年が上の生徒さんのようだ。涼しげな目が印象的。わたしも挨拶を返し、息子たちにもほら、大声でせんかい、と促したがペン次は微妙に声が小さい。う~む、、、
玄関で校長、教頭、ほかにも3人ほどの先生がたが迎えてくださった。ドビーは先生方を覚えているようだ。写真を撮ってもらって保護者の控室となる部屋の前でしばらく待機。
ほかの子供たちもいたが、落ち着いてる子とそうでない子(筆頭はドビー)とさまざまだった。先生方が子供たちを迎えにきて、別室へ連れていった。親から離されたときは泣いてた娘だか、いざやることがわかると落ち着くだろう。もうニコニコしてた、とはあとで体育館に偵察にいったペン太の弁。
ここからは着替、あいさつ、体育館で体の様子チェック?、和太鼓体験、雑巾がけ、食事、歯磨き、箱折り体験、着替、と先生方のチェックが続く。
その間、まずは校長先生から挨拶があり、その時、来年度の中学入学希望者は多いので、先生の数が限られている状態では、残念ながら何人かの方はお断りしなければならないことを了承していただきたい、とおっしゃった。控室の中に緊張が走る。そのあと順番に親と校長先生教頭先生の面談があった。
普通の学校なら学力検査ですぐに決まりだろうけど、ここではどういうふうに決まるのかは見当がつかない。ただ一つ言えることは、ドビーが一番手のかかりそうな子だということ。それは先生の数が少ないここの学校には、致命的な欠点だろうと願書を出すときからわかっていた。
休みが多いけど風邪ひきやすいですか?と訊かれる。そのときは、自分ではそんなに姫が休んだような覚えがなかったので、とっさに理由が思い浮かばず曖昧にしてしまったが、そういえば私の具合いが悪くて連れていけなくて休み、ということがかなりあったなあ。ほんとに情けないけど、ペン次のことをとやかくいえない。近所にこんなとき姫を頼めるような友達はいない。一人なのは私も同じだ。
面談の終わりのとき、これからもお母さんを助けて頑張ってね、と兄二人に語りかけてくださったことが、引導を渡されたような気がして辛かったが、それはそれで断られたときの覚悟になったように思える。ならばここにいられるあいだ、先生方の様子もしっかり見たい、と思ってドビーに見つからないよう他の保護者の陰にかくれて和太鼓体験や雑巾がけをみようとした。それがなかなか…向こうも親を探しているようで目があいそうになる。邪魔になるのだけは避けたい、とじっくり観察するのはあきらめた。
子供たちが雑巾がけを始めたころ、親も和太鼓をたたかせてもらった。リズムを揃えてピタリとうち終わる…はずが最後に1音だけ残ったり。悔しいのでピタッと終わらせましょう、と先生がおっしゃり、もう一度。みんなで合わせてピタッと終わったときの快感といったら…♪残念なことに、この時兄二人は控室に戻っていた。立派な和太鼓。ああ、彼等にもたたかせてあげたかったなぁ。
さて食事の時間。子供の向かいに保護者が一人座って普段の食事のように食べてもらいます、とのこと。普段のとおりというと、ペン太が隣でドビーをあれこれチェックしている。私が口を出すと際限ないため、うるさいと姫に叩かれるので最近はすっかりお互い避けている。この時もペン太にお願いしたが、一番端で注目のまとになるのが嫌そうだった。
姫は箸を全然使えないままなので、握り箸で食べてしまう。今更ながら指が曲がってるからといって、スプーンを許し箸を強要しなかったこれまでの日々を反省。あのときもっとマッサージを続けてやらなくちゃいけなかったのに…今頃思ってもあとの祭だ。今からでも食卓のでの席を替えて、姫をペン太と私ではさんで、箸を持たせて食べさせよう。
そのあとは片付け、歯磨き、そしてまた分かれて、子供は箱折り、親たちは控室でビデオを見た。私は前回夫とみせてもらったものだった。息子二人はお腹がくちくなって急速に眠気に襲われ、ほかの親がみな真剣にビデオをみる真ん中で、机に突っ伏して寝てしまった。何度かこづいて起こしたがまた崩れるの繰り返し。でも体育祭の場面はとても印象に残ったようだった。
さて、すべてが終了。挨拶をして帰途につく。振り返って村を一望する。またここに来る日はくるかしら。しみじみしてたら、ふとペン次が言う。ここ、じぃじん家みたいって言ってたけど、絶対あそこよりは都会だよ。
確かにね!(笑)家の数は多いね。
(続く)