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エルファの独り言

エルファの独り言

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ウォロー放浪記 ウォロー1056さん
Jul 12, 2006
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カテゴリ:クロノス小説
モンタゥヌス神殿4F「血の祭壇」

 ふたりはそこに降り立った。

「……すごいプレッシャーですね」

 エルファリアがポツリと呟くと、デューイは不敵に笑った。

「だな」

「ここは?」

「シティス=テラとターラを繋ぐモンタ神殿。

 ここはそのモンタ神殿の一番奥にある『血の祭壇』って場所さ。

 諸々の説明は省くがここには『アイドラ』ってボスの思念が残っててな。

時折その思念が具現化することがある……丁度今みたいにな」

「どうするんですか?」

 エルファリアの問いかけに、デューイは不敵な笑みを隠そうともしない。

「約束の時間にはまだ早ぇし、退屈しのぎに狩っちまうか……」

「ふふっ。デューイさんらしいですね」

「笑ってる場合か……エル、お前もやるんだよ」

 そうくるだろうとは予想していたものの、多少引きつりながら確認を取る。

「……やっぱりですか?」

「当たり前だろうが……何のために鍛えたんだ?」

 呆れながら軽く笑ったデューイは顔を引き締めると、

「エル、お前は下頼む。片付けたら向こうから上がって来い」と、右手の階段を指す。

 無言で頷いたエルファリアの顔には、緊張の色が明らかに見て取れる。

(まぁ、これが初めての実戦だから仕方ないっちゃそれまでだが……

 あんなにガチガチじゃ成功するもんも失敗しちまうな……)

 デューイは軽くため息をつくと、

「エル」

「はい?」

「緊張するなとは言わねぇ……

 けど忘れんな? お前はこのクロノスで最高峰の俺から師事を受けたんだ。

 もっと自信を持て」

 しばらくキョトンとしていたエルファリアは突然破顔する。

 ひとしきり笑った彼女は目尻に涙を浮かべながら、

「ふふふ……自分でそれを言うんですか?」

「……んだよ? 俺は何も間違ったことは言っちゃいねぇぞ」

 不機嫌な声のデューイ。

「ふふ……そうですね。

 わたしは最高峰のあなたからいろいろ教えてもらったんですから、

みっともない戦い方はできないですね」

 そう言ってエルファリアは剣を構える。その様子を見たデューイは

 ──ふっ。

 鼻で軽く笑うと、居合いの構えを取る。

「それじゃ合図と同時に行くぜ……

 3……2……1……GO!」

 合図と共に、神速の抜刀が幾重も翻った。



クロノス城ギルドSSDアジト

「そろそろ時間だけど、行くメンバーどうしよっか?」

 待ちかねたその日が来て、アルテミスは声を弾ませて聞く。

「あ、俺も行くよ」

「オイラも行くっす!」

 次々と上がる手。

「じゃ、悲魔さんとグロさんだね……

 シュウはどーするの?」

 そう聞かれたシュウは難しい顔をして答える。

「行きたいのは山々だけど、オレアイツ苦手なんよ……

 悪いけどパスさせてくれ」

「じゃ、3人で行こっか♪」

 そう言ってフリースクロールを取り出した。



モンタゥヌス神殿4F「血の祭壇」

 エルファリアは下の階の最後の1体を切り払うと、階段を駆け上がる。

 そこにはモートゥースが敵を潰さんと両手の斧を繰り出そうとして……

 チンッ!

 その場には、あまりに不釣合いな清涼な鍔鳴りの音。

 モートゥースは腰の辺りでずれ、床に崩れ落ちる。

 ……ふぅ

 これが最後の1体だったようで、エルファリアは軽く息をついて──

「気を抜くな! まだ終わってねぇぞ……

ってかこっからが本番なんだよ」

 デューイに諌められてあたりに目をやると……

 昇華されなかったモンスターの魂たちが、まるで意思を持ったかのように集まってくる。

そうして、1つの形を造りだし…… 

 黄色い法衣を身に纏った、異質な存在が降臨した。

 それは言葉を紡ぎ出す。

「私の眠りを妨げる愚かな人間ども…死を以って自らの愚を知るがよい……」



(!?

 この光景……前にどこかで……)

 漠然と言いようのない不安感が襲ってくる。

 キィンッ!

(っ!!)

 まるで精錬した金属同士がぶつかったかのような、乾いた音が頭の中に駆け巡り、

エルファリアに激しい頭痛が襲う。

『大人しく滅びを待てばよいものを……

 わらわに刃向かったその罪、死を以って贖うがよい』

 そんな声を聞いたような既視感に捉われて──

「エルちゃんっ! 前っ!!」

 アルテミスの悲鳴に近い叫び声と、

「何ぼっとしてやがるっ!!」

 デューイの叱責に我に返るエルファリア。

 しかし、何もかもが遅すぎた。

 ひゅんっ!

 慌てて身を捻って躱そうと試みる……が、

 ドッ!!

 黄色い法衣を纏った異質な存在──アイドラ──の放った触手の一撃はエルファリアの

脇腹を貫通した。

 衝撃で飛ばされ、壁にノンバウンドで激突する寸前でアルテミスが抱きとめる。

「……あ……す、すみませ……」

 けほけほっ……ごほっ!

 激しく咳き込んで血を吐きながらも、エルファリアは心配そうな表情でアルテミスを見上げて

「すみません……血で汚しちゃって……」と掠れた声で呟いた。

「そんなことはいいから喋らないで!

 グロさんヒールを……」

 涙交じりの声でそう言ったアルテミスだったが、そこにいる誰もがヒールでは

手の打ちようのないことが明白だった。

 なぜならマイナーヒールは、ケガをした人の治癒力を一時的に高めて傷を塞ぐもので、

結局はケガ人の体力にかかっているからに他ならない。

「そうだ! ミスティなら……

 グロさん。今すぐ帰スクでエルさんを連れて行ってあげて」

 悲魔の指示に、だがグロは青ざめた顔で答える。

「オイラもそうしようと思って、さっきから帰スクを使ってるんっすけど、

帰スクが反応しないんっすよ!」

 一瞬何を言っているのか、悲魔には判らなかった。

「……なんだって!?」

 悲魔も慌てて確認するが、帰スクどころかゲスク、フリースクロールも沈黙を守ったまま

まるで言うことを聞かない。

「結界……だな。

 なら話は早ぇ。これを作り出したのはアイドラだ。

 コイツをぶった斬れば片はつく」

 デューイの落ち着き払った声にアルテミスが食ってかかる。

「アンタねぇ!」

「ぎゃあぎゃあ喚いても事態が好転するわけじゃねぇだろ。

 俺は今気が立ってんだ……この事態を招いた俺自身にな」

「えっ?」

 アルテミスはデューイを見て言葉を呑んだ。

 恐ろしい殺気を纏っている。こんな感情を見せるデューイを今までに見たことがなかった。

「だからテメェにとっておきを見せてやる。

 それを見たらとっとと死ね」

「たかが人間如きに私を滅ぼせると思ったか!」

 嘲笑するアイドラを完全に無視して背を向け、刀を抜き放ち構えるデューイ。

「ひょっとしてあれを?」

 悲魔もアルテミスも、以前デューイがSSDのメンバーだったときに見せた技。

 その技でいまだかつて屠れなかった敵はいない。

 神速の居合いを極め、その先にたどり着いた究極の一がそこにある。

「秘剣──」

 デューイの刀が疾しる。

 刀の間合いから逃がさないように円を描き。

 敵を頭から切り裂く縦の軸。

 そして、胴を断ち切る横の軸。

『3つの斬線が』全く同時に到達する……直前で



 バキィンッ!!



 鈍い音と共に刀身が砕け散った。

「なんだって!?」

 驚愕の声を上げるデューイ。

「だから言ったであろう? 人間如きが私を滅ぼすことなどできんと」

 嘲笑を消さぬまま言い放つアイドラ。

 エルファリアに、死の影が徐々に忍び寄ろうとしていた……


-to be Continued-





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Last updated  Jul 12, 2006 01:51:51 PM
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