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カテゴリ:演劇
蜷川幸雄演出・清水邦夫作
堤真一・常盤貴子・秋山菜津子・毬谷友子・高橋洋ほか 渋谷の雑踏を通り抜け、シアターコクーンに『タンゴ・冬の終わりに』を観にいった。 久しぶりのナマ堤さん♪ で、観終わった今、胸になにか重いものがつかえた感じ。 3年前に俳優業を突然引退した清村盛を演じるのが堤さん。 俳優が自分の言葉をなくし、芝居の台詞しか思い浮かばなくなる哀しさ。 日本海がすぐ近くにある、さびれた映画館に帰ってくる。 そこには、幻の観客、地元のおじさん、親戚のおじさん、子ども時代の友達が 現れる。 姉との別れ、孔雀の剥製を盗んだことなど過去の出来事が、その古びた(来月には解体されることになっている)映画館内で、盛の頭の中で、再現される。 さらに恋人だった水尾と再会することで(盛は記憶を失っているが)、盛の心はますます壊れていく。 こんな役をやっている堤さんを、ずっと見たかったのだった。 今回1回きりしか観られないのがホントに残念。 妻役の秋山さん。芯の強い、元脇役女優。狂気を見せ始めた夫を救う為に ある計画を画策し、常に夫のそばに居る。迷いもあるけれど、悟り、でもやはり一緒には狂えないと去っていく。 蜷川さんの作品は初めてだそう。他の役者では考えられないくらいぴったりだった。 段田さんも高橋洋さんも、もちろん毬谷さん(ちょっと意外な役だった)も丁寧な役作り。 そのなかで、これが舞台二度目の常盤さん演じる水尾。 華やかではあるけれど、惜しい。 台詞が常に怒鳴っていて、感情が伝わってこない。 (たぶん客席に声を届かせようとして、そういう喋り方になってしまうんだろう。テレビで見るより、かなり低く声を発していた) この前見た「メトロに乗って」では、いい女優さんだな~って思ったんだけど。 舞台は発声からして映画とは全く違うんだなあ。 で、タンゴの場面は・・・ ま、タンゴってかなり難しいとは思うけど。 あのゆ~っくりテンポの動きはちょっと興ざめ。 色気もなかった。 密着度が薄い(笑) 絡んで求めて!てのがタンゴかと思ってたよ。 とくに話の本筋に、タンゴのレベルは関係ないので、気にすることもないんだろうけど。 いや、あそこであんなに淡白なダンスだったんだから、 水尾と盛の関係もそんなかんじだったのかも。 ま、もともと堤さんもそんなに濃い色気のあるタイプじゃないし。 1人タンゴは切なくて涙が出そうだった。 ロミオやハムレットを演じたという清村盛。 そんな設定だったら、イヤでも想像、期待してしまう、 いつか藤原くんが演じている盛を。 15年後くらいかな。 蜷川さんいつまでもお元気でご活躍を~~ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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