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カテゴリ:演劇
ネタバレあり、の感想ですよ~
宮沢りえちゃん演じるタマシイが語る”みらい”って ”未来”のことかと思って、初日「ロープ」を観ていた。 観終わったあとも、時間(とき)を瞬間移動したストーリーかと思い 未来のことなのに、過去?なんてちょっと混乱してしまっていた。 ひとり観劇だったので、友人に確かめることもできず・・・ ”みらい”は、ベトナムのミライ村のことだった。 恥ずかしながら、村の名前を知らなかったので 検索して、その事件の様子を知り、愕然とした。 タマシイが実況するその惨事は事実だった。 舞台の後ろに記してあった名前や番号はそのときの犠牲者を表していたのだった。 改めて、野田さんが作りたかったものが、重たく苦しいものとなって 迫ってきた。 昔見た、夢の遊眠社の芝居では、言葉遊びが次々と追いかけきれない速さで 観客席に投げかけられていた。 出演者はひょいひょい飛んで、跳ねて、まわって、観ているほうも 付いていくのが精一杯。ときどき置いてけぼりをくらってしまう。 けれど、今回は、以前ほどの言葉の洪水はなかった。 その代わり、ひとつひとつの言葉に重みを持たせて 一見、心地よいリズムを刻む台詞も、 ゆっくりと放たれる。 たくさんの言葉でひとつのことを伝えるのではなく 厳選された言葉を大切にしているという感じ。 (いやもちろん、野田テイストは残っているんだけど。あんなに飛び回る作品なかなかないよね、たぶん) 未来とミライ。 この2つの言葉だけで、この作品のテーマの重さが胸に突き刺さってくる。 なぜ、今ベトナム戦争? あんな台詞を宮沢りえに、藤原竜也に言わせるなんて。 そんな感想をそこここで目にするけれど それは、全部意味あってことなんだろうな、と思う。 観終わったあと、観たひとが、その人なりに(賛否両論こみで) 熟考できるのが野田作品の特徴なんだろうな。 ま、私は芝居を観ていて、その設定や台詞に疑問を持ったりはあまりしないタイプで そのままのものを受け入れてみるか、面白くないと切り捨てるか のどちらかなんだけど。 (宝塚とかでは、ありえない~とつっこんだりもするけど) 竜也くんの前回の出演作品「オレステス」では、作品自体はなかなか良かったけれど、 最後のビラ撒き演出は説教くさくて、私は受け付けなかった。 あんなのないほうがよっぽど効果的だと思ったほど。 野田さんの作品もときどき説教っぽいなと思うことが あるけれど(深く語れるほど、観劇しているわけではないけど)、 今回はすっきりシンプルで、却って考えさせられる結末になっていたと思う。 今月末に2回目を観る予定だけれど 次回は、ノブナガ=信長というところに焦点を置いて観ようかな、と思っています。 敵はグレート今川だしね。冒頭に「大うつけ」と言われてるところもある。 ま、本名はイエヤスだけどね(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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