|
テーマ:ミステリはお好き?(1482)
カテゴリ:その他
トマス・H. クック作
初めて読んだクックの作品は、「夏草の記憶」。 独特のタッチで進む彼の作品は、ミステリーの形をとってはいるけれども 人間の弱さ、を深く掘り下げたストーリーとなっている。 そして、結末はいつも、はっと驚かされ、胸が痛む。 今年9月に刊行された、「緋色の迷宮」はこれまでの作品と比較すると 淡々と話が進んでいく。 息子が少女誘拐を疑われる。 固いと思っていた家族の絆が実はもろく儚いものだった・・・ 読み終わって、 どこか異国での出来事ではなく、自分の身に、明日にでも降りかかってきそうな いや、既にそんな状態にあるのかも、と身震いするような怖さを感じた。 いつも一緒にいるのに、家族の本当の姿を理解できていない。 誤解なのか、真実なのか、判断するのは難しい。 それが、複雑に絡み合って、悲劇は生まれる。 好きな海外ミステリー作家は何人かいるけれど、評判がよく、何冊も出版されていくうちに だんだん面白みがなくなっていく作家がザンネンながら多い。 クックも、何冊か前には、ちょっと作風が変わって、つまんないなと思ったけれど 今回はまあ面白かった。次の作品にも期待してます。 そういえば、パトリシア コーンウェルの新刊はもう出たのかな? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|