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カテゴリ:演劇
4/14 マチネ
作:矢代静一 演出:鈴木勝秀 キャスト:堤真一、高橋克実、長塚圭史、キムラ緑子、七瀬なつみ、西岡徳馬 チラシの堤さんがかっこいい。 筆を口にくわえ、乱れ髪に歌舞伎調の化粧。 これは期待するしかないでしょう~ ネタバレあり ****** 先週、スズカツ演出の”ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ”千秋楽を見たばかり。 今回は打って変わって、硬派な和物。 太鼓と笛の音で幕開け。 おお~いきなりドドーンと惹き付けられる。 日本人の血が騒ぐってかんじ。 牢の中の写楽の台詞から始まる。 粋な風情は堤さんに似合うわ~ なんていうか、その物腰は、見ていて気持ちがいい。すかっとする。 写楽と歌麿の若き時代。 地獄絵を描きたい写楽。極楽絵を目指す歌麿。 狂言回し役の浪人・幾五郎(後の十返舎一九)。 1人の女性の死によって、三人の人生は大きな渦に巻き込まれていく・・・ って、導入部分はそそられるんだけど、 原作は四時間もの長さらしい。それをスピード感を与える為に二時間にしたスズカツさんの 演出は果たして・・・ 原作は読んでいないので、はっきりしたことは言えないけれど、 はしょってしまってよかったのか? 上っ面を描いた軽い仕上がりになってしまったのでは? 堤さんやキムラさん、高橋さんが好演していただけにもったいない。 4時間でも面白ければ、客は付いていきますよ。 後半に向けて、盛り上がるべきところなのに、眠気が。 堤さんは、キラキラした目で自分の描きたいものを話す場面がいい。 後半は、自分を表現する場面が少なく(動きが少ないのか)、なんとも・・・ 処刑場面は、席が近く、仕掛けが見え、少し興ざめ。 後ろの席だったら、どう見えたんだろう。 そういえば、後半は蔦屋(西岡)さんの喋りで話が進んでいってたね。 キムラさんは艶っぽくて、う~んイイ女。 お米役の七瀬さんは、少女時代はかわいくて健気で、ちょっとぼんやりした感じがよかったけれど、後半の内面の葛藤を表すところは手ごわかったよう。 (矢代さんの娘の)毬谷友子さんだったらこんな感じかな、と脳内で変換しながら見てしまいました。(七瀬さんごめんなさい) 西岡さんはちょっと苦手な役者さんだけど、今回はそのベテランぶりが芝居に安心感を与えていた。 軽妙な語り口の高橋さんは初見です。でもイメージどおり。飄々とした雰囲気で、でも温かさもある。 写楽に対峙する歌麿役の長塚圭史さん。 歌麿ってあんなにイヤ~~なやつなのか? 歌麿の表面上の性格以上のものが見えなかった気がする。 写楽にかける最後の言葉も、響かない。 難しい役なのかも。もしくは、はしょったせいで(またしてもスズカツ責任か?(笑))そこまで表現できなかったのか。 スズカツさんが持つ”間”が、私の好きな”間”と合わないのだろう。 写楽の死の場面は、もっともっと大仰でもいいのでは。 最後の極楽のような場面は、違和感も。 原作どおりなら仕方ないけれど、どうせ脚色しているのなら、 太鼓、笛で思いっきり騒ぎ、観客にカタルシスを感じさせてくれれば、と考える私は知らず知らずのうちに、蜷川演出に染まっているのだろうか(笑) (蜷川演出が必ずしも好きなわけでもないのに。藤原ファンになってから蜷川さんづいているからな~) チケット発売当初から、コクーンで&堤さんということで、蜷川演出と錯覚しがちでした。 あ、違う違うスズカツさんだよ、と自分で何度も言い聞かせていた。 会場でもらったチラシの束のなかに スズカツ演出・篠井主演「欲望という名の電車」の仮ちらしが。 11/16~25 東京グローブ座 ブランチ 篠井英介 スタンリー 北村有起哉 ステラ 小島聖 ミッチェル 伊達暁 というわけで、久世さんは出ないのですね~残念! レインマンのちらしもあったし、年末には大沢たかお主演で「ファントム」も演出するらしい。 そうそう9月の「ラストファイブイヤーズ」再演も。 スズカツさんも蜷川さんばりに大忙しですね。 **蔦屋さんにもらったよ!↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
April 15, 2007 01:22:35 AM
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