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カテゴリ:演劇
5/23(水)13時
サイモン・ゴドウィン演出 先月シアターコクーンで「ハムレット」を観た。数回観るつもりが都合で1回に。 観劇直後はこの演出がすっと受け入れられなかった。 岡田将生くんのハムレットは立ち姿も口跡も美しい。美しすぎて精神的に危うい。見ていて心がひりひりする。オフィーリア(黒木華)の狂った場面、王や王妃、レアティーズに花を渡すところは、なんと花ではなく自分の髪を抜いていた。意識がぼんやりするなか、わが身を削って思いを残したのだと思うと辛い。そういえばベネさんのハムレットのオフィーリアは後頭部が部分的にハゲていた。髪の毛って念がこもっていて、オフィーリアの気持ちが伝わってきてどんよりする。 観劇後にすっと受け入れられなかった理由は、私が想定した表情でないハムレットだったからかも。たとえば、劇中劇を見た王の表情を見たとき、ハムレットとホレイシオは笑っていた。やっぱり王が殺人をしていたという確信と悲しさ、そんな表情を期待していたから。 また、ハムレットは両手に包帯を巻いたり、自分のベルトを手摺りに下げて頭にかけたりといつも死を考えている。先王の亡霊を見る前からそんな精神状態だったように感じて、そこも少し納得できなかった点。 でも日が経って、舞台を思い返すと、まだ未熟な若者らしい行動だったのかも。お父さんが亡くなってすぐにお母さんが再婚、しかも父の弟と。それだけで気持ちは沈むだろう。叔父さんとは以前からうまくいってなかったのだろう。 王と王妃、ポローニアスら大人たちはハムレットら若者たちの暴走?に振り回されていたように感じた。ホレイシオの落ち着いた包容力が印象的だった。唯一の救い? 救いであるはずのフォーティンブラスは好戦的に見えたので。 公式HP https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/19_hamlet/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
June 4, 2019 12:56:44 PM
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