シンベリン2回目
4月15日(日)13:00開演@さいたま芸術劇場2回目行ってきました。初日から2週間経っているので、その間の変化を楽しみにしていましたが果たして舞台は進化し、熟成され、よりよいものになっていました。小道具もいくつか変わっていました。一番わかりやすかったのが、ポスティマスが愛の印としてイノジェンに渡すブレスレット。初日は鎖状だったのが、腕輪に。遠くからでも一目でわかるようになっていました。これは効果的。役者さんたちの演技も緩急自在に。阿部寛さん演じるポスティマスは妻の裏切りを邪推し怒り狂う男だが、そのへんが初日はわかりづらかった。魅力的な低い声のせいか、せりふのトーンがあまり変わらず広い劇場では伝わりづらいのかもしれません。でも今回は、そのへん意識されたのかわかりやすくなっていた。もっと大げさに変えてもいいと思いますが。浦井くんの楽士も初日は緊張しているのかな思うくらいの微妙なヘタさ加減だったのが、誰が聞いてもはっきりと音を外してましたね。なんかニコニコしていて(仮面でよく見えないけど)私も楽しいです(笑)王子2人の身支度シーンはファンサービス?ムサシと小次郎のタスキ掛け場面と同じような効果をもたらしてます(*^_^*)(口で紐の片方を加えてキュっと縛るというところ)ま、筋とは関係ない場面ですが。ちなみに弟王子が髪を上のほうでぎゅっと結ぶ場面もお気に入り♪初日は共感できなかったイノジェン(大竹しのぶ)に、今回はかなり感情移入した。大切な人を信じる心。会いたい一心で、見知らぬ危険(かもしれない)世界へ踏み出す。まっすぐに人を愛する力強さが伝わってきました。「欲望という名の電車」で演じたブランチの壊れそうな狂気の世界が似合う大竹さんですが、こういうまっすぐな役もきちんと演じられることが素晴らしい。実は30年ほど前に握手してもらったことがあるのですが、その感触を今でも忘れられないし、そのときのキュートさも心に残っています。これからもずっと応援していきたい役者さん♪終盤、一本松が登場してからは、蜷川さんが何故この作品をこの時期にやるのか、その意図がぐっと迫ってくる。わかりやすすぎるほどの演出。でもそのわかりやすさがいい。ロンドンの観客の反応が気になります。さて、次は21日(埼玉楽)。2階から見届けます。