ROKSAN Xerxes 20 Plusを購入したのはちょうど1年くらい前だと思う。
以前から使っているXerxes 20と並べると、つまりはターンテーブルが2台並ぶととかっこいいとはずっと考えていて、且つターンテーブルとして今まで見てきた中で個人的に最も完成されたデザイン(大きさ、仕上げ等含めて)なのがXerxes 20だったから、機会があれば一台追加を狙ってはいた。が、再輸入品/現行のXerxes 20はアナログ相場と原料高と円安で値段が上がりすぎで、内部のVer.upはあるにせよ 定価が自分が購入した時の倍以上するのは金銭感覚的に許容しにくい。何でもモノには適正価格があるものだ。
Xerxesの設計者が立ちあげたVertereというブランドからXerxes 20を進化させたようなプレーヤーも発売になっていて、そちらの評判も良い。実際音もよい。ただ自分はVertereプレーヤーのアクリル筐体デザインが好きじゃない。
アナログオーディオは見た目の格好良さでしょう?
だからXerxesの上位機のTMSにもあまり惹かれない。
そうするとXerxes 20の中古待ちなのだが、矛盾するようだけれど、ずっと探していたわけでもない。たまにネットで目に入ったら問い合わせる、もっとたまに店頭で出会えば外観や付属品を確認する程度だった。
1年前のちょうどちょうどこの時期、人生的に少し大きな節目を迎えていて、記念品的なオーディオ製品を探していたのかもしれない。
自分は機器との出会いを結構信じていて、何年もではなく探したときにタイミングよく目の前に現れた機器と縁があると思っている。
そう、普段目にしない、行ったことがないオーディオショップのwebサイトにあったのが、ピアノブラックのXerxes 20 Plusだった。
しかも店頭販売のみ。これは訳ありか、足を運べということか。
家族も連れて2時間半のドライブをして、店で目にしたXerxes 20 Plus。
DENON DL-103でLP数枚を試聴させてもらった。トーンアームには往年の名器FR-64fxが付いており、Xerxesには全く問題ない。
回転系機器はどういう使い方をされてきたか、実は履歴が大事と思う。今は個人情報管理も厳しいので前オーナーに関して詳しく教えてはいただけなかったが、プレーヤーを何台も並べている人でワンオーナー品とのこと。たぶんそうでなければかさばる箱は取っておくまい。この段階で買う気になった。
店頭販売のみなのは、デリケートな製品だから配送トラブルを避け、アナログを知った方に販売したいという店の配慮だった。
そのまま箱詰めしていただき、車に積んで、帰宅後にセッティングした。
Xerxes 20とXerxes 20 Plusを並ばせると、このオーディオルームのステイタスが一段上がったような気さえする。繰り返すが、アナログオーディオは見た目の格好良さが大事である。今回のン十万円は、気分を上げるには超安い買い物だった。
Xerxes 20とXerxes 20 Plus、自分は型番がちょっと違うだけ、何なら(当時値上げ前だったので)定価を上げるためのマイナーチェンジかと思っていた。
だが説明書を開き、そして左右2台を見比べてみると、大きさこそ一緒だが、中身はだいぶ違ってちょっと面食らった。こんなこと当時の紹介雑誌に全く書いてなかったゾ。複雑な調整個所も端子の向きも脚も、ずいぶんと勝手が違うではないか。
時間はかかったが、いずれにせよ(当然)音は出て、Xerxes 20 PlusとXerxes 20の2台使い。
本妻は付き合いの長いXerxes 20でこの一年は過ぎた。
まだ本題ではない。
プレーヤーが2台ということはトーンアームも2本ある。Xerxes 20にはAudio Technica AT-ART20(これも目の前に舞い降りた)、Xerxes 20 PlusにはDENON DL-103を当てがった。
AT-ART20はOC9Ⅲからの純正進化だからいいとして、なぜDL-103なのか。FR-64fxはユニバーサルタイプで、Roksan Tabrizでは難しいカートリッジの付け替えができる。そうなると使ってみたいシェルがあって、それは千葉のシルバーハートのSE-10Σだった。ネットで一目見て作りの良さが気に入った。SE-10ΣはDL-103専用シェルだからもうカートリッジを選びようがない。いやDL-103Rでもいいけれど、30年も前に1回使ったから更にさかのぼって世界標準のDL-103にした。ガシガシ使えるし、将来的なサードパーティへの展開も考えられるし。
(そういえば先日亡くなられたダブルウーハーズ会長にSE-10Σを紹介したら、すぐ購入されたっけ。)
黒檀のSE-10Σ、ブラックボディのDL-103、黒いFR-64fxにピアノブラックのXerxes 20 Plusはよくお似合いと自画自賛。
ただ、使ってみたいという点では、トーンアームにもそれはあってFIDELIXの0 Side Forceがそう。これもネットで一目見てピンときた。自分は江川・長岡世代だからピュアストレートなショートアームに目が行くし、硬質ステンレス製もくすぐられる。値段もバカ高くなく、穴はターンテーブルのセンターから232mm位置にφ30mmということはFR-64fxと交換可能。(それにアームボードは替えられる)
といいことづくめなのだが、欠点と懸念も。
一つはSE-10Σは生かしたいし、それにはFR-64fxの方が合っていること。軽針圧用のダイナミックバランス型ローマス・アームという未知の領域は楽しい。もう一つはもっとシビアで、Roksan Xerxesはサブプリンスというサブシャーシ構造でアームはそれに乗っていること。Roksanの中古だとこれが反っているかが判断の一つと言われており、重いステンレスの0 Side Forceにサブプリンスが耐えられるかがわからないし、少なくとも調整は必要。自信がない。
そうなるといつかは外付けのトーンアームスタンドを使ったダブルアームかなと思っていた。