カテゴリ:オーディオ、ちょっとビジュアル
昔欲しかったAという機器、最新のBという機器、同じ20万円で目の前に現れたとしよう。
自分自身 年を重ねてきて思うが、年々「昔」が勝つ傾向が強くなってきている。あこがれはに全てに勝るのだな。アンティークオーディオが全く廃れなかったり、中古市場がある程度いくと値が全く落ちなくなるのも同様なのだと思う。美化した思い出は、メンテナンスやスペックをはるかに超えたところにある。言ってしまえば金銭感覚も。 その意味では、人気で製品を選ぶのは全く悪くないし、値段の安定した中古品を選ぶのも悪くない。資産になりえる。 BENZ MICRO(ベンツ・マイクロ)というスイスブランドにアナログが席巻されたのは、2000年代初頭くらいだろうか。RUBYやGLIDER、REFERENCEといった高額MCカートリッジ(当時は20万円を超えたら超高級)が、新しい音を奏でた。自分も欲しいとは思ったが、とても手が出なかったナ。 BENZ MICRO=ハイエンド・オーディオのブランドイメージは刷り込まれた。それは今もだ。 ベンツ・マイクロにはPP-1というフォノイコライザーがあった。バージョンアップを重ねて今はVer.9、型番はPP-1/T9となっている。超息の長い製品で現行品であり、ロングセラー好きの自分には合う。 黒い印字がこすると取れやすいため程度の良い中古が多いともいえないが、定期的に見かけるので数自体は少なくないのだろう。さすがロングセラー。 PP-1/T9がポッと目の前に現れたのでつい購入したのが数年前のこと。当時はそれこそ同じベンツ・マイクロのRUBYやGLIDERの組み合わせも多かったからか、印象はもちろんよかった。 未試聴購入。可動部位がないので壊れるものでもあるまい。 ご多分に漏れず製品は値上がりを続けているが(当初20万円弱、今や税込み30万円オーバー)、中古品価格はずっと10数万円で落ち着いているのも気に入った。一入力一出力、電源スイッチすらないところも潔い。 実は購入当時、値段はPP1/T9より安いが、スペックははるかに優れる最新のフォノイコライザーも使っていた。それを売ってPP-1/T9の一部費用を捻出したのだ。 スペックにあこがれが勝った。手に取ると小さくてもズシリと重い。クロム仕上げも素敵。手に入れた満足感は非常に高い。 そこまではよかった。 肝心の音がどうも今のシステムにしっくりこない。伸びやかさがないのはベンツ・マイクロの(MCカートリッジも含めて)イメージではない。SNもイマイチで、過去の印象とこの部屋での再生音がずいぶんと違うんですけど...。 24V電源をリニアに変更すると改善される点は大いにあった。が、DCプラグ側に若干の工夫が必要で安定動作のためには付属品の電源がよいようだ。検討継続が必要。 最新のフォノイコライザーの方がよかったか(苦笑 何に合うのかな。 買い物にはこういうこともある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 10, 2023 10:35:53 PM
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