> SOULNOTE と H.A.L.3 のデモで、50年前のアルバム曲が重なる
> という偶然があった。自分も持っていたので少し思い出しながら
> 聴き比べてみようと思う。
SOULNOTEはアナログ、H.A.L.3 のデモはデジタル再生だった。これ何の曲かといえば、荒井由実 / ミスリム(MISSLIM)の中から「海を見ていた午後」だ。
ミスリムは1974年のアルバムで、今から50年前の作。プロデューサーは村井邦彦、エンジニアリングは吉沢典夫が担当し、アレンジは松任谷正隆。吉沢典夫は初期YMOのエンジニアでもあるから、自分の嗜好にも合っている。細野晴臣、林立夫、鈴木茂、山下達郎といった実力派ミュージシャンが参加し、各楽器の音像が明瞭に表現されたアルバムだ。ボーカルと楽器の定位感は秀逸で、アコースティック楽器やホーンセクションのディテールが豊かに再現される。各トラックの音楽的な深みや質感が鮮明に伝わり、1970年代の日本のポップスの最高峰を体感できると思う。
エンジニアとミュージシャンの技術が結集したこの作品は、"当時すでにアナログ録音技術が確立されていた"と主張するには古すぎず、試聴盤には格好だと思われる。まぁ名盤だ。自分も音がよいと思う。
「海を見ていた午後」はA-4の小編成のゆったりした曲。SOULNOTEはこういう演奏者の少ない静かな選曲が多かった。動的な再生と言う割には選曲が?だったが、SOULNOTEはその名の通り、演奏に込めた魂を、削ぎ落とさない音を目指しているのだろう。これは単語の捉え方が違うだけで、自分は単純に動的=dynamic(行動的な、精力的な、力強い、)と認識しているからだ。このアルバム自体が内省的な曲が多いからネ。
最近は便利なので、視聴しながらアプリでdBやらを計測。できるだけ合わせて我が家で聴いてみた。TIASの各社講演でも思ったが、今回も双方とも再生音量が思ったほど大きくはなかった。
もうこの際LPのマトが、とか、いつのリマスタリングver.が とかは置いておく。そんな話をしたらキリがないから。
YG / SOULNOTE vs. Wilson / Goldmund vs. Pass / CH・Ayre連合だな。
マラソン試聴会で聴いたそれぞれ長所は我が家には、ない。ただこの年になると達観してきて、試聴会やオフ会で特別感激することもショックを受けることも少ない。ましてや家で聴きなおして、勝った負けたもない。「みんなよかったです」で終わってしまう。
今回もそうなのだが、いつもいつもの Wilson Audio Watt/Puppy の明快さは思い出してもよかったし、スピーカーから透ける Goldmund色はやはりほしい。SOULNOTE製品はもう持っている。
我が家での最大の反省点は、アナログ盤ミスリムの盤質が、ジャリ盤だったこと。別に初期プレスでもないのに、なぜ買い直さなかったんだ? リマスタリングCDの出来がいいので、そちらでばかり聴いていたのだろうが。
気づけてよかった。