◇肩書き。
人は役職が上がるにつれて、直接自分に意見を言ってくれる人が少なくなってしまう。自分に耳の痛いことを言ってくれる人がいるのは、幸せなことなんだけども、段々とそれを受け入れることを今までの経験を基に止めてしまうようになる。自分が正しいことを言っているのかを、客観視できなくなり、さらに誰も指摘してくれる人がいなくなるから、悪循環。どんどん自分の凝り固まった主義主張の世界に追いやられて、世間一般の常識から離れていく。そんな時、誰がその人に「それが普通のことなんですよ」って教えてあげられるんでしょうね。もしその人がリタイアしたとして、肩書きを失った時、その人の誇れるものは何なんでしょうか。財産、家族、友人…もし、肩書きだけだったとしたら、孤独でしょうね。一生のうちに、一度肩書きという鎧を脱いで、人間として生きてみませんか。自分の生きていた世界がいかに小さく、普通でなかったかがお分かりになるはずです。しかし、鎧を脱ぐことはないでしょう。あの鎧は一度着ると、便利で快適すぎて、それ以外何もない自分に気づかされることになるのですから。想像するだけで、恐ろしいですよね。