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カテゴリ:法科大学院と司法試験
おとといは、今年合格した方々との懇談会がありました。この中で、最後に体験談を話してくださった方の話に感動しました。
その方は、去年の試験に不合格で、今年合格されたのです。去年の不合格の失意の後、自分の答案のどこが悪かったのか全くわからなかったので、大勢の方に読んでもらって評価を受けたのだそうです。 ずいぶん、厳しい意見を聞いたとおっしゃっていました。さぞ、つらかったと思います。試験に落ちたというだけでも苦しいのに、落ちたわけを何回も聞かされるのですから。 でも、そこから彼の反撃が始まるのです。「敵を知り、己を知れば百戦危うからず。」試験委員が要求しているものを法務省のホームページで丹念に読み、自分の答案のどこが悪いのかを徹底的に分析して、冷静に再訓練を開始。今年は、とても良い成績で、合格されたそうです。 やはり、一度挫折した後、壁を乗り越えた人は違います。法律の知識の他に大きな自信も身につけて、実に晴れ晴れとした表情をされていました。それもこれも、自分から逃げ出さずに、自分の弱点に立ち向かった成果なのだと思います。とってもカッコよかったし、大いに共感しました。「結局のところ、毎日毎日コツコツと勉強して、集中できた人が合格できる試験なのだと思います。」とおっしゃっていました。極意だと思います。 こういう人を見ると、不合格も経験のうちなのだと割り切って考えることができます。落ちたら落ちたで、冷静に対策を立てて乗りこえれば良いのです。ずっと、「試験に落ちたら何て言い訳しようか。」と思っていましたが、「力及ばず落ちました。」と言えば良いのだと悟りました。できなかったのは自分の力が不足していたから。その自分ととことん向き合って足りなかった部分を補って行けば良いのです。 「新試験は、旧試験と違って、ありきたりの守りの答案を書いていたのでは良い得点は見込めません。事例の分析はどんどん大胆にやって良いのです。判例で基本的には書くべきだと思いますが、ここぞという時には、「判例に盲従するのではありません」という姿勢を見せることも重要です。」とおっしゃっていました。 そこまでできるかどうか自信はありませんが、小さくこじんまりと固まって答案を書くのではなくて、フレキシブルに事例を分析しようとする姿勢は持ち続けたいです。 「とにかく、学校での授業を一所懸命にやって、先生方を利用しつくすこと。学校での成績と本番の合格率は、どの学校でも見事に比例しています。予備校の問題は、質が良い訳がありません。時間に慣れるという意味では良いかもしれませんが、やはり、本試験の問題をやるべきです。」ともおっしゃっていました。 試験に落ちても、あんなカッコよい復活ができるのであれば、1度の失敗くらい恐くはありません。ただひたすらに全力を出し切れるように、日々の訓練がとにかく大事だということです。 がんばって書いた答案も出しました。びっくりしたことに、全科目出したのは私を含めて二人だけ、部分的に出した人を合わせても10人いるかいないかでした。みんなやる気あるのかな。一体どうしちゃったのだ?これは、ロースクールとしては大変危機的状況ですが、私としては大変ラッキーです。この優秀な合格者の方々を独り占め状態ですもの。早く名前を覚えてもらって、大いに活用させていただこうっと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年10月22日 23時57分47秒
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