修習が始まって、あっというまに2週間がすぎました。
裁判官室は、とても落ち着いた雰囲気なのですが、修習生はスケジュールがなんだかんだあって、落ち着いて席に座っていられる時間がありませんでした。講義や研究会もありました。公判もたくさん傍聴しました。
でも、ほんのちょっと裁判官といるだけで、「裁判官ってやっぱりすごい!」というのがわかります。
起案用の事例問題には、証人尋問や被告人質問で、裁判長がするどい質問を最後にチラッとするシーンがよく出てきます。
このチラッとする質問が重要なことが多いのです。これは、練習用の問題だから、裁判官をカッコ良い役にしているのだと私は思っていました。実際は、こんなに上手いわけないよ、と。
でも、そうではないみたいです。裁判官は、公判で初めて見る証拠をしっかり見たり聞いたりして、ある方向性をもって判断しているみたいです。
だから、補充質問も弁護人や検察官とは違う、聞いた瞬間にハッとするようなするどい質問が出てくるのだと思います。実際、すごいんですよ。
裁判官たちは、難しい仕事をしているのに、実に何気ない風情です。さらりと、でもドンドン仕事をこなしていきます。
本当に、頭脳のレベルの違いを感じます。裁判官は、修習生の中でも、成績が特に良くないとなれないのだそうです。カッコ良いなあ。
不思議に思ったのは、法廷という場所です。あの証言台に立つ人を前から見ると、その人のそれまでの人生が透けて見えてくるようなのです。
その人がどんな気持ちで言っているのかもわかってしまうようなのです。
「嘘って目に見えるものなんだ!」という妙な発見をしました。
だから、緊張であがってしまったとしても、一生懸命嘘をつかずに答えれば、それなりにわかってもらえるのではないかと思いました。口下手でも、大丈夫だと思います。
もっとも、最初の印象なので、まだこれから変わるかもしれません。
当分の間は、法廷の不思議に注目です。
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最終更新日
2009年12月11日 21時56分02秒