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カテゴリ:法科大学院と司法試験
うちの事務所をはじめから、もう7年が経過しようとしています。8年目に入るのも目の前です。
すごいなあ。最初の年は、「1か月も経たないうちに何か大失敗をしてすぐに弁護士バッジが飛ぶんじゃないか」と深刻に悩んでいましたが、その時その時で苦悩はしてきたものの、何とかバッジは無事なまま過ごせています。 しかし、ここらで「ちょっと変えようかな」と思う小道具も出てきました。特に思うのはボールペンなどの筆記用具とコーヒーメーカーです。 今から振り返れば狂気のような司法試験の受験勉強時代、ジェットストリームというボールペンは手を腱鞘炎から守るためにはなくてはならない筆記用具でした。 当時、私は筆圧が高くて、必死で答案を書いていると書き終わる頃には手が痛くなっていました。勉強中もそうです。筆圧が高い人は受験生には結構多くて隣の席の人から「答案を書く音がうるさい」という苦情が出る場面も見受けられるほどでした。司法試験は、1科目3時間とか4時間とかの間、A4サイズの罫線をひたすら書き続ける試験です。A4サイズの用紙を1科目で8枚とか普通に書き切ります。勉強も1日10時間くらいは普通にするので、最初に故障するのは手でした。右手に包帯をしながら答案を書いている人が何人もいました。 このままでは、試験本番前に答案が書けなくなると危機感を持った私は、まず正しいペンの持ち方を練習しました。長時間書き続けるためには、それほど力を入れなくてもペンを持てるようにするのは必須です。文房具屋さんには、三角になっているグリップが売られていて、きちんと持てるようなグッズがいろいろありました。正しく持つと、長時間字を書いても手は疲れないことを私は40歳をすぎて初めて知ったのです。その上で、インクの出が良くて力を入れなくても書けるボールペンが重要でした。今でも書いている時の滑らかさとインクの黒さでジェットストリームはダントツに良いのではないかと思いますが、当時は出てきたばかりのジェットストリームをとにかくたくさん使いました。 滑らかにインクが出るので、逆に言えばインクの減りは異常に早いです。替え芯1週間と待ちませんでした。仕事を始めてからも、習慣でずっとジェットストリームの多色ボールペンを使っていました。替え芯はいつも箱で購入するいわば上得意の使いっぷりだと思います。 でも。 このボールペン、ちょっと流行りすぎました。 裁判所に行くと、双方代理人の弁護士と書記官と、ともすれば裁判官や依頼者までこのボールペンを使っていたりします。こういう席でおそろいのボールペンとかちょっと興ざめです。これは、仕事上の工夫として、少し変わった筆記用具を使おうかと思っています。今は、受験生時代のような異常に長時間のボールペンを使うわけではないし、万年筆とかとてもきれいなものがあるし、この仕事では筆記用具は重要な小道具にも思えるし。 なので、筆記用具は変更予定で良いものを探しています。 そしてもうひとつはコーヒーメーカーです。カプセル式の泡コーヒーができるマシンを、事務所開設当時に友達連中がお祝いでプレゼントしてくれました。このマシン、当時は何万円もしたのです。私は、すごーく沢山コーヒーを飲みます。考えがまとまらなくて煮詰まってくると特にコーヒーは欠かせません。そういう私にこのコーヒーメーカーはうってつけでした。 「仕事している時くらい、ちょっと贅沢なコーヒーを飲んでも良いだろう」ということで、大して稼ぎもないくせに泡コーヒーで息抜きをしていました。毎日毎日酷使されたコーヒーメーカーは水漏れがするようになり、今は2代目になっています。この時の値段は1台5000円を切る値段でした。売れているんだねー。こちらでも、私はコーヒーのカプセルを大量に消費するお得意さんだと思います。 でも。 この手のコーヒーも流行りすぎて世の中のコーヒーの味が均一化してしまいました。 先月、引っ越しをしてから、使っていないいただきもののコーヒーメーカーを出して、これも冷蔵庫に放置されていた真空パックのコーヒー豆(フレンチロースト)を使って入れたら、これがびっくりするくらい美味しかったのです。これは、カプセルのコーヒーの味とは方向性からして別物でした。 以来、コーヒー豆をいろいろ買ってコーヒーを入れるようにしています。事務所でも、気晴らしに自分でペーパーフィルターでコーヒーを入れることが多くなりました。中目黒のコーヒーの専門店で何年もバイトをしていたこともあって、あーでもないこーでもないと思いながらコーヒーをいれてみて、思い通りの味になるととても充実した気分になります。 微妙な違いですが、私にとってはなんだか不思議な大きな変化なのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年10月29日 18時39分43秒
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