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カテゴリ:法科大学院と司法試験
国葬問題で,大きな騒ぎになっているようです。いろんな反対意見がある中,よく目にするのが「法律がないから国葬は違法だ」という話です。
違法というと,「法律に違反しているから違法」という印象が私には強いです。なので,どうしても「法律がないから違法」というのにはひっかかってしまいます。職業病ですかね。 人の生活をすべて法律で規定することはできませんし,法律が生活のすべてを規定するような世の中が良いとも思いませんが,問題になった事柄に関する法律がないとどう判断したら良いか問題になりますよね。「法の欠缺(けんけつ)」は,刑事事件で問題になりやすいかと思いますが,民事事件でも普通に問題になります。直接の条文がない時は,解釈で補ったりするわけです。 今回の国葬問題は,何というか,法律がないことと故人が国葬の対象としてふさわしくないという意見が合わさって結論ありきで展開されているように思えます。今回の死亡事件が,旧統一教会問題と関係していなかったらどのような展開になったのだろうかとも思います。今の状況は,大変大きな権力を振るった政治家の最後の公の場の評価として,とても不思議な印象を受けます。生きている時には想像もできませんでした。 費用の問題もありますが,すでに日本は「税金で動いている」というよりは「借金(国債)で動いている」国になっていますので,「税金を無駄にするな」という国民の声は届きにくくなっているのではないかと心配です。もう,政治家の方々は,国債を増やすのみで,減らすことに注力することはないように見えてしまいます。 とはいえ,今の時点で変更がないのであれば,国葬は行われると思います。これから国葬についての法律を作る必要があると認識されたのであれば,関係者は今回の国葬についてよくよく観察して研究する必要があると思います。ひょっとしたら,(皇室を除いた)日本最後の国葬かもしれません。どんな儀式が中心になるのかについてもとても興味があります。特定の宗教色を出さずに,どのような国葬をするのでしょうか。つぶさに見て,今後の議論の中心に加わっていくことも大切な気がします。今回の国葬に出席した人が中心になってこれから法律を作っていくようになるのではないかと思うからです。いろいろな評価はあれど,これが現在の日本の政治の現状です。 同じような不祥事が起こり,その度に騒ぎになっても,次の選挙は同じ人が当選することが繰り返されてきました。野党は,不祥事を追及するだけで,これからどのように制度を変えて行けば同じことが繰り返されないのかなどの議論をすることがありませんでした。不祥事の追及と,政権を任せられるかどうかという問題は全然次元が違う話なので,不祥事の追及が票につながらず結果として選挙で不祥事前と同じように負けるのだと思います。野党の主要メンバーが若い方に変わるのかと思ったら,年配の方に戻ってしまったのには驚きました。何が起こっているのだか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年09月17日 15時24分54秒
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