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2006/11/22
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 ^-^◆対馬比田勝旅情[その1] 【 人情噺 】 対馬市の政治経済の中心 厳原の港……。降りる人が ほとんどで、新しい客はあまり 乗り込んでこない。 高速船ヴィーナスは、厳原を後にして、更にこれから北の街、 比田勝港に向かう……。  博多埠頭を出てから、約二時間余り……。 残り一時間弱で目的地比田勝に着く。 厳原、比田勝間は陸路で約８０Ｋｍの距離がある。 船は海上を北上するわけだが、一時間弱だから、 かなりのスピードだ。 １８時少し前、小雨に煙る比田勝港に着いた。 船での一人旅は初めてのこと…………。 列車や、飛行機とは全然違った旅情がある。 船内を歩いて、出口に向かいながら、少し揺れている船の上で、 小林旭の渡り鳥シリーズの歌でも唄いたくなる雰囲気。  親父さんが出迎えてくれた。 （息子の嫁の父親なので、親父さんと呼んでいる。 年齢は、こっちの方が三つ上。相手は、こっちを兄貴と呼ぶ） 途中で、親父さんの朋友をひとり拾って一路自宅へ……。 （奥さんを、早く亡くし、子供三人も独立しているので １人住まいの自宅だ） 着くと…………、 数人の人が、慌しく働いている。 食事の支度をしてくれているのだ。 包丁を使っている人、鍋を混ぜている人、山芋をすっている人 ちゃぶ台の支度をしている人、…………みんな男だ。 親父さんの朋友が全部で四人集まってくれている。 それに、何かと面倒見ている後輩（４０歳位）が三人。 今夜は、全員で９人の宴になる。 ＴＳさんは、地鶏を持参してくれて、昼過ぎから来て 捌いてくれているとの事。 ＴＭさんは、自分で採った、サザエとイカの刺身を造って 持ってきてくれた。加えて、自分で掘った山芋を……。 ＴＷさんは、ビール、焼酎持参、他に、日本酒一升差し入れ。 その他、何やかんやと持ち寄りの…………男料理。 福岡の方では余り見ない光景なので、珍しく……見入った。 なーーんか、頼もしい……。 何かにつけて作業が荒いが、それが、また、魅力的で、 如何にも、美味しい鍋が出来ている感じがする。 …………料理も完成して、いよいよ乾杯だ。 ビールを皆に注ぎ終わって、親父さんが、 乾杯の口上を述べようとした時、「ちょっと待った！」と、 親父さん自らが、皆を制して立って行った。 「こだわり、こだわり……」と言いながら、 持ってきたのは、『サッポロビール』 「兄貴はこれが好きやから……」といって、 既に注いでいた、アサヒスーパードライのコップをのけて、 新しく注いでくれた。 「へぇーーー、こだわりか……」と声が上がる。 こちらにしてみれば、確かにサッポロが好きだが、アサヒも、 飲めないわけではないので、皆と付き合おうと思っていた。 しかし…………、この、配慮に少し……ジーンときた。 ……嬉しいもんですよ……。……気持ちがね。  朋友達は歳も近いし話が弾んだ。 息子の嫁も、この人たちに可愛がられながら 育ったと言うわけで、色々と昔の話も出る。 …………まるで、親戚である。 （実際、中の二人は遠縁ということだったが……） 島の情緒というか、田舎の情緒と言うか、自分も、 幼い頃に似たような環境で育ったので、 すっーーーと、溶け込んでいけた。 酒は……、ビンや缶が次々に空になっていく。 山芋だんご入り地鶏鍋は、超一流の味。 まったく、身内の集まりのような雰囲気の中で、 心の底から楽しい……と感じた。 ホント、縁とは……良いものだ。 しかし、……凄い。 鍋の湯気が部屋いっぱいに漂う中で、 みんな良く食べ、良く飲み、良く喋る。 こっちも、負けてはいない。 天井を見上げると、旧家特有の人の胴回り程もあろうかという 垂木が黒々と、重々しくその年輪を誇っている。 実に気持ちの落ち着く光景だ。 最後は、１０Ｋｍほど先の街のスナックに、タクシーで 繰り込んで、カラオケ合戦。 皆、よく歌い…………歌もうまい。…………凄い連中だ。 バイタリティの塊みたい…………。 こっちも、乗せられて、大いにハシャギ大いに唄い、 比田勝の夜は、深々と更けていったのである。 （就寝時間……記憶無し）  ======================================================================================== ◆◆ホームページランキングに参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 ランキング表を見に来て下さ～い ◆◆クリックして～～ ( ^-^)  
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