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人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 ^-^◆ 仲の良い二人が突然 喧嘩腰の激論 「さっきから、そう言ってるじゃないか! 何べん言ったらわかるんだ! いい加減にしろ!」 「百万べん聞こうと理の通ってない話は納得できん!!!」 突然、隣の部屋からどなり声が聞こえてきて……、 思わずドアを少し開けて覗いてしまった。 幸い、誰も気がつかない。 みんな、向こうの方で立ち上がって喧嘩をしている二人の方に 目が釘付けだ。 「何でもかんでも論理、論理って……、 実行できない様なものに何の価値があるか!」 川中先輩が叫んだ。 「自分の頭の悪いのを棚にあげて何言ってるんだ。 このバカもんが!」 波島先輩も負けていない。 机を隔ててはいるが、今にもつかみ合いになりそうな雰囲気だ。 普段、仲の良い両先輩なので…………ホントにびっくりした。 特に波島先輩は物静かで温厚な人柄……紳士で通っている方だ。 いったい、一体……何が起こったのだろう……。 「又、始ったな……」 後ろから声がした。テーブルマスターだ……。 「スミマセン……あんまり大きな声がしたんで心配して……」 「良い、良い……君は昨日からこの部屋に来たんかな? ……だったら知らないだろうが、 時々ああやってぶつかるんだあの二人……。 同期で……ライバルやからな……」 「……でも、喧嘩腰ですよ」 「事が、仕事の事になったら、あの二人……、 命がけみたいな所があるからな………。 将来、絶対偉くなるぞ……二人とも……」 「…………」 喧嘩というか激論はまだ続いている。声は一段と大きくなった。 「バカとは何だ!!……バカとは。発言を撤回しろ!!」 「……。……悪かった……!! オイ……そろそろやな」 「おおーーー!」 「おおっ!」 ……ん? 何が起こるのかな? 二人とも椅子に座って机の引き出しを開けて何かを取りだした。 まさか、凶器では……と心配するほどの迫力だった。 取り出した赤いものを顔につけている。 面だ……。それも博多にわかの面。 その面をかけるなり、再び、厳しく激しい言葉で議論が 再開された。 「面白いやろう……?いっつも……ああだ……。 東大同士の意地だ……(^-^)」 テーブルマスターが、耳元で笑いながら言う。 確かに面白い……。 あの面をかけてしゃべると、難しい事を言ったり、厳しい事を 言えば言う程、凄くアンバランスで……滑稽になる。 周りの人達は、懸命に笑いを堪えている。 ……とうとう、当の二人も吹き出してしまった。 「この位にしよう……」 どちらからともなく言って…………面を取る。 ふたりとも、笑顔がこぼれている。 すかさず、お茶が入る……。 えっ、あの女性、お茶を入れて待っていたんだ。 ……面……が合図なのか。 ……フーーーム……。 「偉いよなー」 テーブルマスターが言って……戻って行った。 その時は、驚きの方が先で、良く事態が飲みこめなかったが、 『賢者の知恵』……と、後日、ほとほと感心した……。 議論は、興奮する位までやらなけりゃー本物ではない。 そんな面がある。論議を尽くす……という言葉があるが、 徹底した論議は、人を多分に感情的にさせるものだ。 しかし……、感情的になるとお互いのその後の人間関係にまで、 影響してしまう。 ……で、一般にはどこかで迎合するような傾向が あるわけだが、この二人の先輩はその愚を避け、 知恵を使った訳だ。感情論になったら面を付けるという……。 誰が、こんな事思いつくだろう…………。 やっぱり…………どこかが違うなぁ……と、 シミジミと思った……23歳の……想い出である。 もちろん、その後、この二人の偉大な先輩は、会社でも、 重要な地位に昇り詰められた事は、 記しておかねばならない。 人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 ====================================================== ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 12年間蓄積した本ブログの一部を抜粋して本にしました。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中巻・下巻)』です。 それぞれ200円です。(^-^) AMAZON公式サイトで「愛ことば」で検索して下さい。 良かったら、どうぞ。よろしく、お願いします。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中巻)』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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