カテゴリ:カテゴリ未分類
◆
人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 ^-^◆ ほんまもんの……頑健 語り尽くせぬ程お世話になった大先輩を病院に見舞った。 奥様からの知らせでは……、悪性脳腫瘍で……早ければ、 あと数ヶ月の意識と医者に言われたという事…………。 話が出来るうちに逢ってやって欲しいとの事…………だ。 正直……辛い…………。(ー_ー)!! ……しかし逃げてはいけない。 返しきれない恩を受けた……。 ………………でも辛い。(ー_ー)!! 病室は個室。 大企業の重役室程はありそうな大きな部屋だ……。 奥様がいつもの明るい笑顔で迎えてくれた。 ふっと……、気が楽になった。 「あなた、鷹奈さんよ。 …………どうぞ、どうぞ。こっちへ来て……」 「おおぅ! (^。^)」と大きな声。 思ったより遥かに元気な声だ。 少しやつれは見えるが顔色はそんなに悪くなく、 眼光は相変わらず鋭く力強い。 「仕事、うまくいってるか?」 「ええ、何とか」 「それは、いい。ご両親元気か?」 「ええ、何とか…………」 「うん何よりだ。……で、息子さんの嫁さん元気になったか?」 「えっ?」 「いつか、具合が悪いって言ってなかったか ?」 「あっ、はい、お蔭様で…………」 「いいのか?」 「……はい、少し静養したらすっかり元気が戻りました」 「うん、それは良かった。気をつけてやらんとな」 「お加減……どうですか……?」 ……やっと言葉をかけられた。 「あん?ワシか?見ての通りたいしたことはない」 「…………」 「ここの医者はどうもいかん。ワシを年寄り扱いする」 「だって、そこそこのお年じゃありませんか」 …………と奥様。 「どうも、慎重すぎて迷惑千万だ。けしからん!!」 「長年の無理が積もってますから、静養第一ですよ」 「馬鹿言っちゃいかん。何が静養だ!」 「…………」 「やらなきゃならん事が山ほどあると言うのに……」 「また、始まった……。……鷹奈さん、ごめんなさいね」 「何を言うか!!こんな所でゆっくりしてる暇なんか無い!」 「…………」 「検査検査ってだらだらやられて困っとるよ。まったく」 「元気に戻る為ですから…………。先生……」 「わしゃこの通り元気だよ。…………ところで相変わらず残業 多いのか?」 「はぁ……」 「うん?……そろそろ年も考えて用心せんとな」 「ええ…………」 「君、顔色、少し悪いんじゃないか?気をつけろよ」 「どうも……。先生元気ですね。安心しました……奥さま」 「相変わらず、いつもの調子なのよ」 「何を言っとるか、人様をこんな所に閉じ込めて……」 「また、そういう言い方を…………」 「君!退院祝いは盛大に頼むぞ。鰹のタタキがいいなぁ」 「じゃー、例の店ですね………………」 「そうそう、そうそう、あそこでやろう! なっ!」 「…………。…………。…………。」 こんなやり取りがあって……3ヶ月。 この76才の実業界の現役選手は、 その信念に満ちた言葉通り、悠々と退院してきた。 ……完治だそうだ。 奥様の話だと腫瘍が消えてしまったとの事。 医者も首をかしげる位に珍しい事らしいが、 何度スキャンニングしても写らないらしい。 数人集めて盛大な鰹のタタキパーティを開いた事は 言うまでも無い。 その時、聞いた話だが、主治医がこの大先輩の バイタリティにすっかり感心して、退院時奥様に 言ったらしい。 「尊敬できる患者さんに巡り合えて幸福です。これは、 奇跡ではなく、ご主人が自分の力で勝ち取られた「命」 ……退院だと心からそう思います。」と…………。 大先輩に言わせると『あれはやぶ医者』。 ……相変わらず辛辣。 この天才的前向き人生から、長年私たちは どれほどの元気を頂き続けたことだろうか…… 懐かしく思い出すたびに、又……元気を頂く…………。 ご存命であれば、113歳……。 明治生れの気骨のカタマリのような先生だった…………。 人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 ====================================================== ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 12年間蓄積した本ブログの一部を抜粋して本にしました。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中巻・下巻)』です。 それぞれ200円です。(^-^) AMAZON公式サイトで「愛ことば」で検索して下さい。 良かったら、どうぞ。よろしく、お願いします。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中・下巻)』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|