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2018/03/08
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 人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。  にほんブログ村^-^◆ 患者さんに騙された 盲目の父に教えられたこと[下] 子供として……親が侮辱された感じで……、堪らなかったが、 父が放っておくというので従った……。 父は、目が見えないだけに厳格にお金を管理しているので、 多分、父の言う事に間違いはないだろう……と思う……。 支払う方だって、相手が見えないのは分かっているから、 皆さんわざわざ「ｘｘ円札ですよ」と断って渡されるんだ。 うっかり、間違うなんて事は……どう考えても考えにくい。 治療室で……二人っきりだ……。 父は、確たる証拠がないというが……、きっと、……きっと、 ……騙されたに違いない……。<`～´>  ＜約１ヶ月後……＞ 「光男……所崎さんから、三千円返って来たぞ……」 「えっ？来られたの？……間違いだった……？」 「珍しく、四週間……来院の間隔が空いた……が……」 「何て言われたの……」 「うん、久しぶりに来られてな……、今回の分を払われる時に、 『そうそう、前回来た時に、私、五千円札と千円札を間違えて ないかなぁ……。あの後、どうも……、財布の金額が 合わなくてねぇ……』…………ということだ……」 「ふーーーん………………。……で、どうしたの？」  「ああ、所崎さんでしたか……？ ……確かに、こちらも計算が合いませんで……。 ……只、あの日は患者さんが多かったもんで、 誰が間違えられたか特定できなくて…………。 その内に、おっしゃっていただけるだろうって思って、 待ってました……。 所崎さんでしたか……そうでしたか……」 「お父さん……そんな風に、言ったんやね…………。 ……で？」 「うん、すみませんと言って、払って貰ったよ……。 メデタシ、メデタシ……だ。ははははっ……」  「……間違えるはず無いけど…………なぁ……」 「うん…………」 「……やっぱり、騙されたんだと……思うよ……」 「……光男…………。 ……所崎さんは改心されたんだと思うよ……。 信用は大切だ……からな……。 俺は…………それでいい。 …………待って良かったと思ってる……」 「……でも、お父さん、一度騙された記憶って残るやろう……」  「そうやな……、……出来るだけ早く忘れることにするよ……。 人には、出来心って奴がある……。 魔がさす……とも、云う……し……。 ……改心されたんなら……、それで、いい……。 これからも、長い付き合いだからな……その方が良い」 「そんなもんかねぇ……。悔しくはないの……？」 「うん……あの時は、そうだったが……。 確かに……バカにされたと……悔しかった……。……しかし、 だんだん、所崎さんが哀れに思えてきてなぁ……。 昔は、町の世話役までした人が……だ……。 俺だって、嫌いな相手じゃなかった……。 ……なんか、厭になってなぁ……。 ミスだろうって……思う事にした……」  「目の見える立場から考えれば……ミスは考えられないけどね」 「………うん。 ……光男。 改心なら……それで良いじゃないか。 これからの付き合いを考えても……その方が良い……。 二度とこんな事は起こらないだろう……」 「所崎さんが、言われなかったら……どうしたの？」 「……ん？……どうしたかなぁ……。 それはその時でないと分からんなぁ……。 ははははっ……」 この事件の際の父の事は、今でも忘れられない。 父の思い出は様々なものがあるが……、 亡くなって２０年過ぎた今でも、特に、この時の思い出が 強く残っている。 うまく表現できないが……、 まだ、父の域に達していない自分が今、 ここにいる事は……確かだ。(；一_一) ＜完＞  ====================================================== ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ １２年間蓄積した本ブログの一部を抜粋して本にしました。 『愛ことば・心の散歩路（ビジネス編上巻・中巻・下巻）』です。 それぞれ200円です。(^-^) AMAZON公式サイトで「愛ことば」で検索して下さい。 良かったら、どうぞ。よろしく、お願いします。 『愛ことば・心の散歩路（ビジネス編上巻・中・下巻）』  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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