カテゴリ:高齢化社会
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人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 ^-^◆ 脳の力のトレーニング<4> <Renewal> 「施設に慰問に行くだろう……そして私が人形を操る際には、 認知症の重症の方は、たいていの方が車椅子に乗られていて、 最前列に並ばれるんだよ。 私の最も近い位置にね……(^-^)」 「そうなんですか? でも……重度の認知症の方たちに芸が通じますかね?」 「うん……表情があまり豊かでない方が多かった。 目もうつろな感じでな……。 慰問に訪れる時間帯が、たいていの場合昼食後だったから、 誰でも、少し眠たい時間帯でもあったんだが……」 「(^-^) 分かります……分かります」 「それでも最前列に居られるから、その方々の表情を強く意識 しながら、受けを狙って演操を続けていくんだけど……。 殆んど毎回、間違いなく起こった変化があるんだよ……」 「芸が通じましたか? (^-^)」 「まず第一は笑顔が見えてきた事。これはこっちも気合が入る。 踊りの節々のフィニッシュというか決めポーズには、 声をあげて笑う方もおられた……」 「反応されたんですね!」 「うん、そしてその笑われた顔が実に可愛いんだよ。(^-^)」 「へえーー、そうなんですか。芯からの笑顔なんでしょうね」 「そしてな、手を目いっぱい伸ばして、人形を触らせてくれと、 せがまれたりもしたんだよ。これはかなりの迫力だった。 気にした介護師さんが前に出て来てなだめるのを抑えて、 人形を渡すとね……、瞳をらんらんと輝かせて操られる。 さっきの私の真似をして…………な」 「それって凄くありません?殆んど無表情だった方々でしょう」 「そうだよ。そうなんだ。慰問行事だから仕方なく付き合う、 そんな感じだったんだが……。 まるで子供の様に無邪気に明るく元気に、隣の人、私、 そして担当の介護師さんに得意げに見せて大笑いだよ……」 「先輩の人形は、おしぼりで出来ているから、 柔らかくて湿っていて、身近で親しみやすいですよね。 まずもって、緊張感はありませんよね……(^-^)」 「そうだな……そういう生活の延長線上の身近な素材というのは 大きな意味があるのかもしれないな……」 「(^-^) きっとそうですよ。(^。^)」 「と或る大規模なデイサービスセンターに慰問に行った際も 同じ事が起こったんだ……(^-^)演者としては冥利につきる」 「そうでしょうねぇ、芸って、反応があると嬉しいですよね」 「そのセンターでは、終わって帰る間際にな、 ひとりの介護師さんが追いかけて来て私の手を握って、 『あの方を担当して三か月になりますが、あんなに笑われ、 それに加えて積極的な意欲のある姿を初めて見ました』 と泣かれたよ……。役に立って良かった…………、 ……とシミジミ……だ。(一_一)」 「なるほど……凄いことですね」 「そう……ハプニングから学んだ事だな……。全くの経験則だ。 こういうことがあっちこっちで重なって、おしぼり人形が、 施設利用者さんとのコミュニケーションの道具に使えるという 評価を頂いてな……。 その後、述べ70人の認知症担当介護師さんに対して、 おしぼり人形の指導をさせて貰ったよ……」 「えーーー!そんなこともあったんですか?(゜_゜) 凄い話ですね。先輩も仕事の傍らで大変でしたね。(>_<)」 「大変という事は無いよ。亡き師匠から引き継いだ芸の普及にも つながるし、やり甲斐のあることだったよ。 結果的に、この芸が、既に認知症の症状が出ている方にも、 何がしかの覚醒的な効果があるということは分かった……」 「それって、凄い事じゃないですか?」 「いやいや特別では無いよ。歌の世界にも似たような話はある。 具体的な症状の変化とどう関わっているかは、 さだかではないし、これからの課題だからね。 ただ、介護の現場が確実に平和になる事は確かなことだった」 「それって、楽しいことですよね。人類がまだそれほど長く、 経験していない、いわば手探りのテーマですから……。 でも、先輩の芸がそういう反応を産んだ原因って何かな?」 <続く> 人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 ====================================================== ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 14年間蓄積した本ブログの一部を抜粋して本にしました。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中巻・下巻)』です。 それぞれ200円です。(^-^) AMAZON公式サイトで「愛ことば」で検索して下さい。 良かったら、どうぞ。よろしく、お願いします。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中・下巻)』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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