カテゴリ:ロータリークラブ
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人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 ^-^◆ 日本人の職業倫理観[3・完] 【前回】日本人の職業倫理観[2] 「働くことの出来るグループには、できる限りの食糧を与えて、 必死で働いて欲しいと言われました。……推定できますね? では、もう一つのグループ、老人や、病を得ているもの、 幼い子供、力の無い女性たちなどには、 どのように言われたと思いますか?」 「これは、大体想像がつきますね……自分に置き換えて……」 ----------------------------------------------------------- 「そうですね。おそらく貴方の想像通りでしよう。 もう一つのグループには、飢えをしのぐ為の最低限の食糧を 配ることにとどめて『空腹に耐える忍耐を仕事と思って、 村の為に協力して欲しい』と言われたという事が、 尊徳翁が残された『夜話190』などに書き残してあります」 「……!! 少し違いました。『我慢してくれ』じゃなくて、 『我慢することを仕事と思って村の為に協力して欲しい』と、 言われたんですね。少しの言い方の違いですが全然違います」 「良い指摘ですね。(^。^) 働けない人をも『助けてあげるべき存在』等とは、決して 捉えないのが尊徳翁です。それは、彼らの内に、自分が 『助けて貰わなくてはならない者』『小さく役立たない者』 『弱い者』等という意識を植え付けてしまうからです」 「確かにそうですね……うーーん(-.-)」 「負い目や劣等感、或いは依存心や甘え……。これらは、 いずれにしても全く生産的ではないものを芽生えさせます。 『助けてあげよう』とする行為は、相手への親切どころか、 相手を受け手に閉じ込め、相手の尊厳や主体性や誇りを奪い、 代わりに『もっともっと』『足りない足りない』という欲求を 芽生えさせていく行為だと、尊徳翁は考えていたのでしょう」 「!!(゜_゜)」 「だからこそ彼は、荒廃した村の再建に際しても、 寄付金や補助金は一切導入すべきではないと捉え、 村は村の力で、荒れ地は荒れ地の力で、立ち直りゆく方法を 練り続けたと伝わっています……」 「現代にも通じる凄い発想ですね。 人間の尊厳や、主体性や、誇りを大切にされたんですね。 苦しさの中でも、子供たちは必ず良い方向に育つような……、 そんな気もします」 「人を助けることは結局のところ『こんなにしてやった!』 『助けてあげた!』という自己満足感を生み出すだけの 劣悪なる偽善だと考えていたわけです。 この事に触れた時に、私は背筋が硬直しましたよ……」 「会長、現代の世の中で『……のに』につながって、対立の元に なっているケースがありますね。『してやったのに……』 『助けてあげたのに……』……ありますねーーー」 「尊徳翁は、非力に見える人たちにも呼びかけていますね。 『空腹に耐えることを仕事だと思って協力して欲しい』と…。 素晴らしい発想ですね……」 「どんな相手でも信じ、仲間としての敬意を払い、ともに歩み 行こうとする心が無いと出来ることではありません……。 凄いです……」 「それが、尊徳翁のやり方でした。人間の尊厳を何よりも大切に 考えておられたのかもしれませんね。 人が困っているなら助けることも大事でしょう。 ただ、安易に助ける事で相手が知恵や工夫を生み出す機会や、 成長する機会という、そんなかけがえのないチャンスを、 相手から奪ってしまうかもしれませんからね……」 「会長、二宮尊徳のことについて、きちんと調べてみます」 「今日は、ほんのさわりの話しかできませんでしたが、 日本人の職業倫理観に通じるものだという事は、 理解できたと思います。後は、どうぞ、調べて下さい。 今度は貴方から話を聞くのを楽しみにしていますよ」 「会長、時間を割いて頂いてありがとうございました……(^-^)」 <完> 人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 ====================================================== ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今まで蓄積した本ブログの一部を抜粋して本にしました。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中巻・下巻)』です。 それぞれ200円です。(^-^) AMAZON公式サイトで「愛ことば」で検索して下さい。 良かったら、どうぞ。よろしく、お願いします。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中・下巻)』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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