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愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

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2021/03/17
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カテゴリ:ロータリークラブ











         

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  ^-^◆ 『二宮尊徳』とロータリークラブ<上>


  【前回】『四つのテスト』の身近さと奥深さ<下>


「会長、こんにちは。
 実は、以前少し話して頂いた二宮尊徳が気になって
 おりまして……」

「こんにちは、ほう……、どのようなことでしょうか?」


      


「はい、最も興味があるのは、国際ロータリーが、
 シカゴで発足する約100年も前に似たような思想を、
 二宮尊徳が持っていたという事です。
 日本人として……凄い事だと感じました」

「なるほど……、貴方はホントに良いところに着眼される。
 そして、勉強されようとする。……いいですね。(^。^)
 その姿勢は、いつまでも持ち続けて欲しいものです。
 では、私の知ってる範囲で、二宮尊徳の話を致しましょう」

「(^-^) 是非、よろしくお願いします」

「二宮尊徳は、
 『人の為に善を尽す事が、やがて、自らを利する事になる』と
 言っているのはご存知ですね

「はい、存じております。(^-^)」


   
  ロータリークラブ創設者ポールハリス(左から2番目)


「これはロータリーのモットー である、
 “He profits most who serves best”
 <最もよく奉仕する者、最も多く報いられる>と、
 全く同じ意味ですね。そしてあなたが言われたように、
 まさに国際ロータリー発足の100年前の言葉でもあります。
 これに関し、二宮尊徳は幾つかのたとえ話を残しております」

「たとえ話ですか……是非、聞かせて下さい。お願いします」

「有名なのは『湯船の諭し』です。
 尊徳の弟子のひとりが、箱根の湯本に温泉を持っていました。
 お金持ちだったんでしょうかねぇ。(^-^)
 尊徳がある日、この弟子と共に温泉につかり、
 湯桁に腰をかけながら教えた話です」

「温泉の中とは、ホントにリラックスした環境ですね。(^-^)」


   
         二 宮 尊 徳


「……ですね。(^。^)
 『世の中には、お前たちのように物持ちでありながら、
  十分であることを知らずに、あくまでも利をむさぼり、
  不足を唱えるものがいる……』と切り出しました」

「うわー、いきなり弟子にとっては厳しい言葉ですね」」

「そして、続けました。
 『恰も、大人が湯の中に立って屈まないで、湯を肩にかけて、
  “ 湯船が甚だ浅い。膝にも達しない”とつぶやき、
  罵しるようなものだ。
  もし、お湯をその望みのように深くすればどうなるか。
  小人・童子は入浴できなかろう。
  これは湯船が浅いのではなくて、自分が屈まないのが
  間違いなのだ。
  世間で富者が不足を唱えるのはこの例えと何処が違おうか。
  分限を守らなければ、千万石ありとて不足に感ずることで
  あろう』と……」


     


「なるほど、含蓄のある例えですね。富や権力を手にすると、
 陥りやすい過ちでもありますね……」

「そうですね。
 現代の世の中でも、このような人は少なく無いですね……。
 果てには、法を犯してしまう例も出ていますね……。
  また、尊徳はこういう風にも論したんですよ。
 少し長いから区切って話しましょう。(^。^)」

「はいよろしくお願いします。(^-^)」

「『湯に入って、お湯を手で己れの方に掻けば、
  湯は我が方へ来るようだが、すぐ向うへ戻ってしまう。
  反対に、向うへ手で押しやれば、やがてわが方へ流れ帰る。
  少し押せば少し帰るし、強く押せば強く帰る。
  これが【天理】というものである』」


     


「俗っぽい話で申し訳ありませんが、まだ良く湧いていない
 風呂に入った時に体験しました。向こう側の熱い湯を
 かき寄せるよりは、手前のお湯を向こうへ押しやった方が、
 熱い湯がこちらに来るんです……(^-^)」

「ははははっ……、『物理』の世界ですね。
 尊徳は【天理】と言って諭しに使いました。(^。^)
 続き……行きますよ。
 『夫れ、仁といい、義というは、向うへ押す時の姿なり。
  わが方へかく時は、不仁となり、不義となる。
  人体の組み立てを看よ。
  人の手は、我が方へかくことができるが、
  同時に向うの方へも、押せるように出来ておる。
  これ人道の元なり。
  鳥獣は然らず。わが方へ取り込むのみ。
  人たるもの、先方へ手を向けて、他人のために向うへ
  押すことを忘れるは人にして人に非ず、すなわち禽獣なり』


     


「キンジュウ……と言うのは?」

「禽獣(きんじゅう)は、鳥と獣、鳥獣のことですね。
 『禽獣にも劣る行い』などと使いますね」

「『手』の話は含蓄がありますね。動物で前足が手になったのは
 人と猿くらいですからね。手は『手を差し伸べる』『手厚く』
 『手心』などと、人の心の様相を表す言葉が多いですね……」

        <続く>




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Last updated  2021/03/17 10:57:42 AM
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