カテゴリ:ほっ……と したい
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人気ランキングに参加しています。 良かったら【ポジティブな暮らし】をクリックお願いします。 にほんブログ村 ^-^◆ 駅のうどん屋……困ったおばちゃんの人気 ーーー JR駅 大改築前の 思い出 ーーー 「O駅のホームのうどん屋にさぁ、 それは愛想の良いおばちゃんが居てなぁ…………」 「うどん屋にか……! へぇー、……で、どんな感じなんだ?」 「店に入った途端に、こぼれる様な満面の笑みよ……(^。^)」 「ほうーー……」 「それで……、『いらっしゃいませー!!』……だ。 実にハスキーな声でな。 ……それから……、 『暑いですねぇー冷たいおしぼりあげましょうね。ホイホイ』 『雨、濡れませんでしたか?乾いたタオルあげましょうか?』 『仕事、ご苦労様です。忙しそうですねぇぇぇ……』とか、 『今日のゴボウ天は美味しいですよ……如何ですか?』 『込み合って、ホント……すみませんねぇーー』 ってな具合に、それとなく話しかけるタイミングが凄く 心地よくってな……(^.^)」 「ふーん……だいたい常連さんばっかりの店なんだろう……」 「いやいや、ホームだから初めてのお客さんもけっこう来るよ。 でも……このおばちゃんにかかったら、ずっと前から知ってた ような錯覚に陥るなぁ……確実に……」 「へぇぇぇ、明るいおばちゃんなんだな。年は幾つ位だ……?」 「さぁー、聞いた事はないが……80才近いと思うぜ……」 「えっ!!そんな年で、現役か……? それはお前おばちゃんっていうよりお婆ちゃんやな……。 しっかし、長年のベテランなんやろうな……」 「ベテラン……ねぇ……ふふふふっ……(^.^)」 「おいおい、何だよ……?」 「それがな……、それが……まぁ……よく間違えるのよ」 「えっ?……勘定か……?」 「いや、流石に勘定を間違えたのは見た事がないなぁ……。 注文、注文よ……」 「……というと?」 「月見うどん頼んだのに、ゴボウ天うどんが来たり……な」 「ええっ!それって困るなぁ…… <`ヘ´>」 「たいていは、いいよいいよそっちを食べるよって……、 みんな言うけどな…………許してしまう……」 「だってお前、食べたい物が来ないで、別の物が来たんだろう? そりゃー、作り直して貰わなくっちゃな……」 「一般にはそうだよな。間違えたんだからな……」 「そんな事が続いたら店は大損じゃないか……、 そのお店、そのおばちゃんをよく使ってるなぁ……」 「ほかの二人のおばちゃんは……、ほんの少し若いんだけど、 絶対といっていい位、間違えることは、まず、無いな……。 極めてしっかりしている……」 「じゃーお前、その、間違えるおばちゃんは、 年長とはいっても肩身が狭いのと違うか……」 「いや、そんなことはないんだな……これが……。 ほとんど、客が間違えられた物をそのまま食べるから……な」 「ええっ!!そりゃー又、優しい客ばっかりなんやなぁ……、 そのうどん屋……」 「もう、それが大変なんだよ。 間違った時のそのおばちゃんの悔み方と謝り方が 尋常じゃないのさ。大袈裟に言えばだな、 『腹、掻き切って……お詫びをーーー』って勢いで、もう、 誠心誠意、心の底から謝るんだよ……」 「わざと間違えたわけじゃないから……それで、気の毒で 『いいよ』ってことになるのか。 でもさぁ……そりゃー、客の方は大変だな……(;一_一)」 「客がな『いいよ、いいよ』って言ったとたん、 『そういう訳にはいかない!!作り変える』って、 きかないんだけどな。 客の方が、笑って許してしまう……。ふふふふっ……」 「へぇーー、そんなことか……。 まぁ、うどんが食いたいって思って店に入って、 キツネかゴボウ天か、卵かなんて、その場で決めてるような もんだから、俺はあんまりこだわりは無いがな……。 しかし、こだわる人も居るんじゃないか……? 食べたいものに……好き嫌いもあるし……」 「それが、面白い事に……いやいや、面白いと言っちゃいかん かもしれんけど、同じお客さんの注文をよく間違える らしくてな……」 「ありゃりゃ……そりゃー災難だ……」 「そのお客さん、悔んでたよ。『何で俺なんだよ』って……。 でも笑ってた……ははははっ……」 「他の店員さんでフォロー出来ないのか?」 「これが又、ほかの二人が無口でな……。 返事以外、ほとんど声を聞いた事がない……」 「へぇーーーー、対照的なんだ……」 「自分だけ、きちっとするタイプっていうか……あまり、 干渉しないな」 「無愛想なんだ……」 「そうそう、確かに無愛想……いや、しかし、間違えることなど ……まず無い」 「酒飲んで長居するわけじゃないから、 正確な店員さんの方が良いな。 そっちの方が、人気あるだろう。 頼む時も出来るだけそっちに頼むとか……な。 特に常連さんは……そうだろうな。 列車の時間なんかもあるし…………な」 「うーーーん、それが、違うんだな……」 「えっ……?」 「おばちゃん達、交替で、時々休みをとるよなぁ……。 姿が見えない事を気にするのは、その愛想は良いが間違える おばちゃんだ。 ……みんな……『あのおばちゃん今日休み?』ってな風に よく聞くんだよ……」 「へぇー…………」 「無愛想だが、間違えないおばちゃんが休んでも、 まず、尋ねる客はいないな……」 「その、ミスばっかりのおばちゃん、人気があるんだ……」 「人間なんて、分からないもんだよなぁ……。 俺だって、そのおばちゃんが居ないと気になるし、第一、 店がお通夜みたいでいかん……」 「なるほど……面白いなぁ……人の人情って……」 「うん、面白いもんだよ。 迷惑なのに、好きなんだ……ははははっ」 「そんなもんかもしれんなぁ…………人間って……」 「……なぁ (^。^)」 人気ランキングに参加しています。 良かったら【ポジティブな暮らし】をクリックお願いします。 にほんブログ村 ==================================================== ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今まで蓄積した本ブログの一部を抜粋して本にしました。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中巻・下巻)』です。 それぞれ200円です。(^-^) AMAZON公式サイトで「愛ことば」で検索して下さい。 良かったら、どうぞ。よろしく、お願いします。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中・下巻)』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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