カテゴリ:思い出
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人気ランキングに参加しています。 良かったら【ポジティブな暮らし】をクリックお願いします。 にほんブログ村 ^-^◆ 居酒屋でのハプニング……武士の作法 <Renewal> 昔、我が家の二軒隣に映画館がありましたので、 映画だけはたっぷり観て育ちました。 特に東映時代劇は、当時の作品で観ていない物は 無いといっても、決して過言ではありません。 大半は……隣組としての……顔パスです。 古き善き時代でした……(^。^) 私は、 時代劇から様々なものを吸収した少年だったのです。 昨今「 サムライ ×× 」とかいって、 武士道が再認識されてきている面があって、 その感覚は、西洋にまで及んでいる様な様相です。 ある物の本によりますと、武士道とは……、 『君に忠、 親に孝、 自らを節する事厳しく、 下位の者に仁慈を以ってし、 敵には憐れみをかけ、 私欲を忌み、 公正を尊び、 富貴よりも名誉を以って貴しとなす』 とかく、人間が陥りやすい拝金主義や唯物主義の根っこにある 個人主義に対して、封建時代の武士は、封建社会全体への 義務を負う存在として己を認識することが躾られていた』 ……ということ……らしいです。 今でも武士道を尊び、大切に考えている多くの人たちが、 大相撲、元横綱朝青竜の「ガッツポーズ」に厳しかったのは、 特に「……敵には憐れみをかけ……」という所なのかも しれない……等と考えています。 武士道と云うほど大げさなものではないのですが……、 懐かしい思い出があります。 30代後半の頃……の……ある日……、 久しぶりに、行きつけの飲み屋さんに顔を出しました。 「あらっ!珍しいですねぇ…………。 皆さーん、とても愉快なお客さんなんで、 少し、詰め合わせて頂けませんか……?」 女将さんのありがたい配慮……です。 しかし……どう見ても店内はギリギリの状態で……、 まずムリな感じでした。 「わぁー残念ですねぇ……」 女将さんの本当に残念そうな声。 ……客としては嬉しいものです……。 こういう場合、長く居る客が気を使ってくれて、 「そろそろ、出るから……」 なんて、申し出てくれる場合もあるのですが…………この日は、 皆さん、宴たけなわの感じでそれもありません……。 「女将さん、折角久しぶりに来たから、 カウンターの中に立っても良いかな?」 思わず、言ってしまいました。 「気の毒ですねぇ……。良いですか……?」 という女将さんの反応を聞いて……、 今日は、私に何か話があるのかな?……と、感じました。 以前にも、知り合いの客で金払いの悪い人の相談を、 受けた事があります……。 それで…………、 カウンターの一番端のお客さんの前に立って、 呑む事になりました。 こういう事は、この店では珍しくないので、 お客もあまり気にせずに呑んでいます。 目の前で、シャキッとした作業服を着たおじさんが、 静かに、日本酒を飲んでおられます。 チビリチビリと……。 その隣は、三人連れで……ワイワイガヤガヤ……です。 「お一人ですか……?」 と、声を掛けたのがきっかけで、 またたく内に話が弾みだしました。 きっと、誰かと話したかったのでしょう……。 静かな語り口ですが、なかなか雄弁で博識でもあります。 技術屋さんのようです……。 ソニーの創業者井深大さんの話題では、意気投合して、 苦手な日本酒を何杯もさされて困りました……。(^_^;) 「こらっ、青年……、青年……」 と、そう若くも無いのに呼んでくれるんです。 こういう場合、あまり名前を名乗りあったりしないのが、 この店の流儀というか、雰囲気でした。 二度と会う事はないかもしれませんし、 相手に、深く立ち入る事も無いからです。 「おじさん……頭、良いねぇ……(^。^)」 「こらっ青年……、お主もたいしたもんだ。(^v^)」 等と、ほめ合いながら、話も…酒も…弾みました。 「疲れたろう。今度は君が座れ、換わろう」 等とも言ってくれます。 ……もちろん、換わりません。……青年ですから……(^◇^) 「ささっ、おじさん、もう一杯……」 と、おじさんのお銚子で注ごうとした時、 後から、大声がしました。 二階から、この店のお姐さんが降りてきたのです。 「おじさんなんて、失礼な事良いなさんな! こちらを、どなたと思ってるの! 製鐵の副所長さんよ!」 その瞬間……店全体が、凍りつきました。(ー_ー) その日は、お客の大半が製鐵の協力企業の人たちでした……。 鐵の城下町と呼ばれる土地柄です。 一瞬、シーーンとなりました。まさかのまさか……だからです。 「まぁまぁ……」と言う眼で、 そのおじさん、いや副所長さんがお姐さんをたしなめています。 カ チ ン ときました!!! キッと、振り向いて、お姐さんにどなってやりました。 それも、歌舞伎調の喋りで…………。 「いずこの藩の御重役かは知らねども、 茶店で会うたからには、 一介の武士としての交わりに、 御座候らわんや!!!」 すかさず、おじさん(副所長)が立ち上がって、 「誠に、左様、左様。 ひとりの武士としての付き合いにござる」 ……と、これ又、見事な歌舞伎調です。 この言葉を待って居たように女将さんの 「イヨッ」という掛け声、そして、オーバーな拍手……。 次いで、店中が割れんばかりの拍手の渦になって…………、 一件落着しました。(-_-) 昔、忠臣蔵の東下りの場面で、聞いた台詞だったのですが、 思わず…………出てしまいました。(^_^;) それからは、 カウンターのあっちこっちから、 三々五々に、名刺を持って挨拶に来られるので、 おじさんとのふたりの楽しい会話は、そこで終わりです。 雲の上のような方なので、よほどの立場でないと、 名刺交換のチャンスなんて、まず、ありません…………。 数分のちに「酔った酔った…………」と言って、 おじさん(副所長)は、帰って行かれました…………。 「おいっ!青年…………又、次回……」といって、 カチッと片目をつぶって、悠々と、出て行かれました。 …………たいした人物だと思いました。 後日、女将さんから聞いた話ですが、 「自分を、武士に例えてくれたのが、嬉しかった」 ……とか。 気骨のある技術屋さんだったのです…………。 当時、50代の後半でしたから、今頃は……………。 。。。。。。。懐かしく思い出します…………。(^。^) 人気ランキングに参加しています。 良かったら【ポジティブな暮らし】をクリックお願いします。 にほんブログ村 ==================================================== ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今まで蓄積した本ブログの一部を抜粋して本にしました。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中巻・下巻)』です。 それぞれ200円です。(^-^) AMAZON公式サイトで「愛ことば」で検索して下さい。 良かったら、どうぞ。よろしく、お願いします。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中・下巻)』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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