遠くなりつつある記憶からの覚書
1部を20日に 2部を19日と28日に観ました。
圧巻は「阿古屋」 19日は足遣いの勘次郎さんに目が釘付け、28日は左の一輔さんの細かい細かい遣い方に驚嘆しました。28日は隣の席のお姉さん2人組が「凄い!凄い!」と大興奮していてこちらもその熱気にあてられるくらいでした。こういうわくわくする演目であれば、初心者も「次も観てみよう!」という気持ちになるのでは・・・と思いました。
「八陣守護城」
32年ぶりの上演演目。チラシによると『見どころ聴きどころ満載の物語』
元の話から それこそ見どころ聴きどころ場面を取り上げたとは思うのですが、百笑いが3度も出てきて 企画側はそれぞれの大夫を聴き比べてくださいというつもりだったのかもしれませんが 正直飽きました。また百笑いなのかと・・・休憩時間の取り方も変則で 最後の幕がやたら長くてお尻が痛かったです。上演前に企画側も客席に座ってみたらいいのにと恨み節
「傾城反魂香」
住大夫さんの「ども又」の技を堪能しました。歌舞伎で観慣れているので 手水鉢の奇蹟が文楽だとあっさりなんだなぁと思いました。義太夫もさらっと苗字を許されたという描写に移っていってしまうので物足りなさを感じるくらい(苦笑) 脳内で吉右衛門の又平と芝雀のおとくを補完作業しました。
「艶容女舞衣」
丁稚の左遣いさんがとてもやる気なさそうに遣っていたのが印象に残りました。遣い方の上手下手はわかりませんが、真摯に舞台に向かい合ってるかどうかというのは案外客席にストレートに伝わるものだと思います。人形の遣い方に破たんがなくても 舞台をなめてるような態度はいかがなもんでしょう。
ごく個人的な意見ですが・・・
「おおあたり」というかけ声は 満員の客席と舞台上が興奮のるつぼにあるような熱気のある状況でかかるのこそふさわしいんじゃないかと思っています。
5月公演で 男性から「おおあたり」の声がかかりましたが 休憩時間中モヤモヤ気分にならざるをえませんでした
かけ声は その言葉の意味をよく考えてかけてほしい・・・です。
口上でかかる「○○大夫!」「○○!」というのは 応援してるよという感じがするし それで「よし」と演者がいっそうのってくれるのであれば大歓迎なんですけどね・・・