鳥インフルエンザを防ぐ理由[わけ]。
鳥インフルエンザを防ぐ理由[わけ]。1月7日の朝日新聞に掲載された「パナデミックの脅威」によれば災害などでの死者や行方不明者数の被害想定は新型インフルエンザが64万人[ちなみに 関東大震災105385人・東日本大震災18449人]とされているのだそうです。ということで、“鳥インフルエンザはちゃんと防げてますから大丈夫ですよ”などという最近の報道の論調に多少なりとも警鐘を鳴らす意味で、2010年分ですけれどよろしかったらご参考に。↓『鳥インフルエンザを防ぐ理由[わけ]。』ウイルスは変異することで、鳥に感染するタイプのものが他の動物にも感染するようになることがあります。鳥から人への感染が繰り返されると、ウイルスが人の体内で増えることができるように変異してしまい、さらに人から人へ容易に感染できるように変異する可能性もあります。人と鳥のインフルエンザウイルスが豚のなかで、いわば合体することもあるといいます。いわゆる新型インフルエンザウイルスはこうした経緯によって発生するだろうと予想されていること・・・これが鳥インフルエンザを防ぐ理由[わけ]のひとつです。 たとえば2009年におこった新型インフルエンザの由来については『新型の豚インフルエンザウイルスは人と鳥、2種類の豚が持っ ていた計4種類のウイルスが複雑に混じりあってできたことが、 米国や日本の研究チームの 解析でわかった。米疾病対策セン ター(CDC)や世界保健機関(WHO)が公開する新型イン フルの遺伝子情報をもとに調べた。予防や治療の基礎データと な るウイルスの正体が明らかになってきた。米コロンビア大な どのチームは、今回のウイルスと過去の研究でわかっている豚 のウイルスの遺伝子情報を照らし合わせた。この結果、ウイル スに8本 あるリボ核酸(RNA)のうち、6本が北米の豚に 感染するウイルスから受け継がれたもので、2本が欧州やアジ ア由来のユーラシア型の豚ウイルスから受け継 がれたことを 見つけた。 前者の6本には、人、鳥のそれぞれに感染するウイルスに由来 するRNAも混ざっていた。人は通常、豚や鳥のインフルには かからないが、豚は人や鳥のインフルにも感染する性質を持つ。 98年ごろ、北米で豚インフルが流行したときに、豚の体内で 豚ウイルスと人のA香港型ウイルス、鳥ウイルスが混じり合っ て、まず「3種混合」のウイルスができたとみられる。これが 北米の豚ウイルスと交雑を重ね、最終的にユーラシア型の豚ウ イルスと合わさって「4種混合」の新たな豚ウイルスになった という。 このウイルスの表面のたんぱく質が、人に感染しやすい変異を 起こした可能性が高い。生物資源研究所(沖縄県名護市)の 根路銘(ねろめ)国昭所長たちは、北米の豚ウイルスから受け 継がれた6本のRNAのうち、1本が人、2本が鳥、3本が豚 (北米)由来であることを示した。国立感染症研究所のウイル ス研究室長などを務めた根路銘所長は「ルーツが詳しくわかっ てきたことで、対策につなげられる可能性がある。今後もウイ ルスは変化する可能性があり、監視が必要だ」と話している。 2009年5月3日 』 と、こういうような検証報告がなされた経緯がありますしかるに現実には・・・食に関する風評被害を警戒するあまりなのか、鳥インフルエンザの発生時になされる報道が[上記の新型インフルエンザ問題は棚上げされるかたちで↓の写真のような]単なる農業問題のひとつのようなかたちで報道されがちなことは日本で生活するものにとってじつに問題をはらんでいることに思えてなりません。 ということで、今回は、鳥インフルエンザを防ぐ理由[わけ]は養鶏業への被害拡大や食肉消費への風評被害をふせぐためだけではない というおはなし でした。 そしてもうひとつ、新型インフルエンザには注意せねばな らない点があります。それは2009年の新型インルエン ザ感染者のうちの死者の年齢層です。米国の米疾病対策セ ンターが発表したデータによると、18歳から64歳以下 の死者が多いことです。60歳以上の層の死者が大部分を 占める季節性インフルエンザの被害とは、この点が大きく 異なっています。さらには症状が発現してから、死亡にい たる経過時間の短かい症例があることが、気をつけねばな らない大きな特長といえるでしょう。「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」