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カテゴリ:おコメつくり
田植え後に氷!それでも耐える苗をつくる。
前回は 早期水稲の田植えの時期を見極めるのに生物や植物を使う というおはなし[こちら]でしたが、今回はそれに加えて 寒さに耐 える丈夫な苗をつくろうよというおはなしになります。 ↓ 3月中旬からはじまった宮崎県沿岸部でのコシヒカリの田植え。植 え付けられたばかりの苗は、植えられているかどうかよく見ないと わからないくらいに小さいもの・・・そんな苗の状態が、最低気温 12度以上になって 苗が順調に生育してくるまでの間は続きます。 その植え付けらればかりの田の苗を襲うのが、そう寒さと強風です。 たとえば数年前の寒波の例では、 3月29日01度 ・ 30日マイナス1度 ・ 31日02度 といったような寒さがありました。こうなるとかなりの確率で田に 氷が張るのです。特に寒い年の例でいけば “田植えしてから3回に わたって氷が張った”という農家さんもおられたほどですから、その 寒さの厳しさがわかります。 さすがにこのような氷が張る寒さがくるなると、果たして植えられ たイネは大丈夫なのかとおもってしまうのが人情です。しかし最近 では それでも寒さによる枯死 がすくないんです。 なんといってもイネはもともと熱帯産の植物なのですから、これっ てほんとに不思議でしょう? そのような寒害に強いイネ苗の秘密。それは前回の田植後の水管理 の大切さにもありますが、それに加えて 最近の苗作りの方法にも 理由があります。 その寒さに耐えるように作る苗作りの技術。これは ● よい種を使う ● 苗箱に蒔く種の量を多くしすぎない ● よい土を使う ● 適切な育苗期間を守る ● 育苗中には リンサンと苦土を効かす ● 田植え前に 液肥のべんとう肥を施す といった基本技術の励行によります。基本技術を徹底することで、 寒さに強い苗ができる。 これを農家さんに説明する言い方でいえばですね・・東北の普通作 によって栽培されたコシヒカリの種を宮崎にもってきて、卵が飛び 出すほどの塩水選をかけて種子を選抜。その種をPHとECをきち んと調整した土に薄まきして播種後30日くらいまでの老化させな い期間に、田植えに最適の大きさの苗に育てて、そのうえで田植え する・・・ということになる。 といったわけで今回は、早期水稲における成功はまずは寒さに耐え る苗を作ることにある〔農家さんの栽培にかける情熱のはなしでも ありますよね〕というおはなしでした。 気温が12度超えると会話もできないくらいの大音量で鳴く 冬眠から目覚めたばかりの田んぼのカエルたち。しかしこれ が最低夜温が10度を下回るとおもしろいくらいに 一斉に シーンとなるのですから、これもまた見ものなんですよ。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」 のの お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 16, 2023 11:10:14 AM
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