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カテゴリ:生育診断の実際。
春先の苗を食害する生物といえば。
春めいたあとの花冷えの時期に、寒さを防ぐ施設のなかで育てて いる苗の食害被害についてのご質問がありましたので、よろしか ったら ご参考に。 ↓ 作っている苗や定植したばかりの、とくにアブラナ科の野菜の苗が、 何者かの被害をうけて葉の部分に大きな穴があいたり、先端部分が まるごと無くなったり〔!〕することが 春先のこの時期には よ くあります。せっかく苗に仕立てたり、あるいは植えたばかりの苗 がやられちゃったら、がっかりしてしまいますよね。 でも、さあもうひとがんばり、かわいい野菜やお花のためにも加害 する生物を見分けて対策をたてましょう。 さて、そんな春先の時期のアブラナ科の野菜を食害する生物 とは、 いったい何者なのでしょう。 温度があがる夏場であれとすれば、苗を食害する生物としてネキリ ムシやコナガも疑われます。しかし、いまはまだ春。まして今年は 雨が多い。したがって暖かくなってから活動しはじめる昆虫類では なく、むしろ ● 越冬して春を迎える生物 ● 雨がちの気候下でも活発に動ける生物 ● 比較的低温であっても活動することができる生物 が主となって野菜を加害しているとみたほうがいい。さらに今年の ように春の長雨が続く気候下でも活発に活動できる生物ということ もおおきな見極めのポイントにつながります。 ということで春先にアブラナ科の野菜を食害する生物として、まず まっさきに考えられるのは、そう ナメクジ類ということになりそ うです。 そんな春先のアブラナ科野菜類の大敵であるナメクジ対策について のおはなしは 次回にて。 ・・・と話しを終えるまえに日本の代表的な種である、つぎの3種 のご紹介はすませておきますね。 ■ ナメクジ 年に一回の発生。3-6月に40粒ほど産卵。孵化した幼生は 秋までに成熟し、土中や積んだものの下などで越冬。 ■ ノハラナメクジ 年2回の発生。3月から活動。1頭で300粒!ほどの卵を産 み、秋までに成熟。春の卵から孵った幼生が秋には産卵できる ので、注意が必要。ナメクジと同様に越冬。 ■ コウラナメクジ 幼生で冬を越し3月ころから活動開始。繁殖力が強いのが特徴。 秋に成体となり、60粒ほど産卵。秋に孵化し、しばらく植物 を加害したのち、越冬に入ります。冬でも、暖かい雨の日には、 潜伏場所からでてきて活動する。 この3種、いずれも越冬してくるのでほんとに厄介・・というか 厄貝/笑。 被害が大きくなるのは、まずはなんといっても湿りがちな 場所が圃場のまわりにある場合です。 たとえば、家に囲まれて陰になる所が多い場所。用水が流 れている場所。野菜クズや落ち葉などの有機物残さの多い 場所。それに周囲が荒地になっている場所などなどとなり ますよ。
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Last updated
Mar 30, 2023 11:12:10 AM
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