|
カテゴリ:作物用の施肥設計と管理の実際例
大きな虫よりもむしろ小さな虫がこわい。
作物栽培では、大きな虫よりもむしろ小さな虫がやっかいになり ます。それは眼にかからないほどに体の小さな虫がウイルス病を 媒介するからです。 たとえば「トマト黄化えそウイルス病」。 この病気にかかるとトマトの茎や葉柄にはまだらの病斑を生じ、 葉は次第に黄化。そのうちに茎の内部は空洞化し、株全体が萎れ て次第に枯死していく。 もちろん植物体の機能が役にたたなくなるわけですから、果実の 生育は止まり落下、結果として発生圃場では著しい減収状態にお ちいります。 の そして困るのは、このようなウイルス病には治療目的のための薬 剤が効かないこと。 こういったウイルス病はいったん感染すると治療する方法がない のです。そのために蔓延するのを防ぐためには、発病した株を早 めに抜き取り処分すること、それが最良の対策とされています。 そのためにウイルス病を発生させない[作物に近寄らせない]とい う対策が大切となるわけですが・・・ 厄介なことにこういった ウイルス病の運び屋が[チョウの幼虫などの大きな虫などと比較 ると]ごくごく小さな体長である スリップス/アザミウマ、コナジラミ、ハダニ などなどの小さな虫[網を張ったとしてもすり抜けてくる確率が 多い]だということです。ちなみにミナミキイロアザミウマでは 雌成虫で体長は約1ミリしかない。 もうひとつ、このような小さな虫たちの圃場への侵入を防ぐのを 困難としているのが、彼らの寄生できる植物が多いことにありま す。たとえばスリップスの代表的な種類であるミナミキイロアザ ミウマでは80種類、ミカンキイロアザミウマでは200種以上 の植物で生きていけるとされていますので、つまりは作物を栽培 している圃場の外には、どこにでもこれらの極小の虫たちがいる といってもよいほど・・・これでは防除するのもたいへんなこと だというほかない状態なのが現状なんです。。 ということで今回は・・・ヒトが気づかないほどのミリ単位の 小さな体を武器にそっと圃場に侵入し[場合によっては侵入して いることすら気づかせないうちにウイルス病を媒介し]栽培作物 に甚大な被害をもたらすとともに、場合によってはその作が終わ った後も、ほかの圃場や次作に不治の病を媒介する極小の虫たち。 今回は、侵入していることがすぐに確認できる大きな虫よりも、 むしろ圃場に何時侵入したのかが判断しにくくさらにはウイル ス病を媒介する小さな虫が怖い・・・というお話でした。 植えるするだけで虫がこない伝説[こちら]ていうのは、つ まりは「ウイルス病が発生していることに気がつかない」 という、小さな虫の存在を むし/無視した話 なのかも しれませんよ。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」 のの お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 3, 2023 05:47:36 PM
[作物用の施肥設計と管理の実際例] カテゴリの最新記事
|