ドクターイワタの認知症ブログ2022年11月20日
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト紅葉の季節になって参りました地球温暖化に伴い、季節が1か月程度遅れている感じがします。もうすぐ12月というのにテニスは半袖半ズボンで出来ています。今日はテニス練習、参加者2名のみできつかった。でも良いサーブが入って最後のシングルスも互角の戦いが出来ました。やっぱり身体を動かすのは気持ちが良い。来週も天気であることを祈って明日から1週間頑張ろう。症例報告~治療のポイント~インターネット検索で来院された。既往歴:肝膿瘍。野田内科小児科①アマリール3mg/ジャヌビア50mg③クレストール5mg④デトルシトール4mg⑤メトグルコ1500mg⑥ネキシウム20mg⑦ベタニス50mg⑧ランタス16単位。物忘れ、暴言、浮気妄想、夜間不眠を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 右>左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:3、前頭側頭葉変性症(FTLD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にロスバスタチン5mg/ネキシウム20mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始、ルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+4)、近時記憶5/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,TCL155,TG172,Hb12.4,Zn69,Ferritin18.0以外異状なし。VitB1=58,VitB12=438,葉酸=5.2。治療のポイント1.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。2.プロトンポンプ阻害薬(PPI)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。3. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。4.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。インターネット検索で来院された。既往歴:心房細動。脳幹出血、夜間せん妄、川島病院①アジルバ20mg②タケキャブ10mg③アーチスト2.5mg④イグザレルト10mg⑤イーケプラ1000mg。物忘れ、妄想、夜間せん妄、夜間不眠、薬物過敏、生真面目、両側MLF症候群、左不全片麻痺を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 左淡蒼球石灰化、右脳幹出血瘢痕。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:1、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:2.5/9、改訂長谷川式:16/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)に赤ミミズエキスPRoDR1Capを勧めた。イーケプラ1000mgから500mgへ減量した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:13/30(-3)、近時記憶4/6(+1)と軽度悪化、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,Zn70,TIBC212以外異状なし。VitB1=18,VitB12=388,葉酸=3.1。6か月後、右小脳出血、愛知医科大学①アムロジピン5mg②タケキャブ10mg③アーチスト2.5mg④イグザレルト10mg⑤イーケプラ500mg。7か月後、頭部CT上、右小脳出血の増大は見られず、イグザレルト10mg再開した。暴言/暴力にウインタミン朝6mg昼6mg夕12mg、不穏時ウインタミン6mg屯、妄想にアムロジピン5mg→2.5mg→中止/イーケプラ中止/セレネース0.4mg→0.3mg、夜間せん妄にロゼレム8mg/レンドルミン0.25mg/リボトリール0.25mgを開始した。治療のポイント1.妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。2.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。3.暴言および暴力に対する治療暴言および暴力に対してはウインタミン朝4mg夕6mg、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒朝1-2錠夕1-2錠を投与します。ウインタミンは切れのある薬ですが、至適用量は人によって様々であり、ウインタミン4-6mgを1日2-3回まで不穏時屯用として追加処方しておくのが大切です。不穏時と言っても、本当に興奮しているときには内服出来ないので不穏になった少し前の時刻に翌日から追加していきます。ウインタミンは5%肝機能障害を合併するので注意が必要です。肝機能障害を起こした場合はすぐに中止して、セルシン1.5-3mg分3またはクエチアピン37.5-75mg(糖尿病禁忌)を開始します。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑行為抑制および認知機能改善に有効です。4.夜間せん妄に対する治療夜間せん妄に対してはロゼレム4-8mgから開始して2週間-1か月様子を見ます。2週間-1か月経過しても改善が見られなければリボトリール2.5mgを追加します。夜間せん妄に幻視が加わった場合は抑肝散加陳皮半夏2.5gを追加します。夜間せん妄に夜間不眠が加わった場合はクエチアピン12.5mgを追加します。それでも夜間不眠が続いた場合にはクエチアピン12.5mgをレンドルミン12.5mgへ変更します。インターネット検索で来院された。既往歴:H27胃癌、胃3/4切除術、愛知医科大学。物忘れ、寝言、夜間せん妄、食欲低下、火の不始末、REM睡眠行動障害、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。味覚低下にプロマック75mg、ビタミンB12補給にメコバラミン0.5mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+1)、近時記憶6/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Fe25,Alb3.7,TIBC425,Hb8.8,MCV27.7,Zn71,Ferritin6.8以外異状なし。VitB1=13,VitB12=137,葉酸=7.1。ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン1Ap筋注/月、鉄欠乏性貧血にフェジン80mg/生理食塩水100mL点滴静注/月、ヘム鉄を開始した。3か月後、一般採血:Fe37,Alb3.7,TIBC379,Hb10.4,MCV33.2,Zn73,Ferritin14.8以外異状なし。VitB1=16,VitB12=253。低アルブミン血症にイノラス1袋/日を開始した。7か月後、改訂長谷川式:23/30(-3)、近時記憶5/6(-1)。一般採血:Fe54,Alb4.0,TIBC379,Hb10.4,MCV33.2,Zn73,Ferritin14.8以外異状なし。VitB1=16,VitB12=253。鉄欠乏性貧血にフェロミア50mgを開始、ビタミンB1欠乏症にメコバラミン0.5mgからビタノイリン25mgへ変更した。8か月後、改訂長谷川式:28/30(+5)、近時記憶5/6(+-)と中等度改善した。治療のポイント1.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。2.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。3.ビタミンB1欠乏症および過剰症の治療ビタミンB1欠乏症に対しては食事栄養療法(豚肉、かつお節、辛子明太子、鯛の刺身、うなぎ、ごま、大豆、海苔、きな粉、スモークサーモン、鮭、ぶりなど)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。ビタミンB1は糖質を分解する際に消費されるため、中性脂肪高値を伴う糖質過多の場合は、小麦粉(パン、麺類)、砂糖(スイーツ)、果糖(果物)、アルコールなどの糖質制限を指導します。ビタミンB1過剰症は興奮性または多動になり転倒のリスクが高まります。代謝亢進のためるい痩が進行します。興奮、多動、るい痩の見られる患者にビタミンB1(アリナミンF/ビタノイリン/ビタメジン/ノイロビタンなど)が処方されている場合は即刻中止します。4. 鉄欠乏性貧血に対する治療TIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)が正常範囲内(250-440μg/dL)で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が低下(50ng/mL未満)している場合は、フェロミア100mgまたはフェルム100mg(吐気、便秘に注意)、ヘム鉄などを投与します。フェリチン20ng/mL未満の場合は、毎月フェジン80mg/生理食塩水100mL点滴静注を併用します。低アルブミン血症に伴うTIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)低下で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が正常範囲内(50-100ng/mL程度)の場合は栄養補充のみでよい。ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:子宮筋腫。R4/1レミニール8-16mg、愛知医科大学精神科。ひだまりクリニック内科①グラクティブ100mg②グルファスト30mg③アジルバ20mg④レンドルミン0.25mg。物忘れ、被害妄想、暴言を呈していた。頭部CT: ①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶2/6と軽度低下していた。興奮症状に前医からのレミニール16mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にアジルバ20mg中止、赤ミミズエキス2Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+-)、近時記憶1/6(-1)と認知機能不変、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.5,TCL173,TG198,Zn69以外異状なし。VitB1=37,VitB12=717,葉酸=3.4。亜鉛欠乏症にノベルジン25mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+2)、近時記憶3/6(+2)と軽度改善した。治療のポイント1.抗認知症薬による興奮症状(陽性症状)がある場合一旦中止アリセプト5mg/レミニール16-24mg/リバスタッチパッチ13.5-18mg/アリナミンF(ビタミンB1)25mgは暴言、暴力などの興奮症状(陽性症状)がある場合には即刻中止すべきです。陽性症状が消失して無気力、無言、鬱状態などの(陰性症状)が出た場合には少量から再開するか、興奮性の少ない抗認知症薬であるリバスタッチパッチ4.5mgまたはレミニール4mgから開始するようにします。2.妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。4.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。5.石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患に対する治療石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患は一般的には特発性基底核石灰化症(IGC)と呼ばれます。頭部CTで両側淡蒼球に石灰化を伴い、50%にレビー小体型認知症(DLB)症状(頑張り屋、薬物過敏、夜間せん妄、歩行不安定)、75%に前頭側頭葉変性症(FTLD)症状(堪忍袋の緒が切れやすい、物が貯まりやすい、甘い物好き、語義失語)を伴う認知症です。病状進行はゆっくりで、治療反応性はよく、上手く治療すれば長い間良い状態を維持することが出来ます。ただし、自我が強いため介護困難例が多く、定期往診しているDNTC56例中52例は施設入所されています。薬物過敏のため抗認知症薬、向精神薬、眠剤を含むすべての薬剤は通常量の1/4-1/2を投与することが大切です。詳細はIwata A, Journal of Japan Society for Dementia Therapy 2(1):2015.10 p.32-40を参照下さい。インターネット検索で来院された。既往歴: 2013&2014脳ドック、異常なし、名古屋脳神経外科。長久手内科①ローコール30mg②ネキシウム20mg。長久手メンタルクリニック①ジェイゾロフト25㎎。物忘れ、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:1、脳血管性認知症(VD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:29/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にネキシウム20mgを中止を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1週間後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+1)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,TCL199,TG118,Zn77以外異状なし。VitB1=36,VitB12=309,葉酸=5.0。認知機能低下にローコール30mg中止を勧めた。脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mgを開始、ルベスト1Capを勧めた。鬱状態は前頭葉血流低下が原因であり、ジェイゾロフト25㎎中止を勧めた。治療のポイント1. プロトンポンプ阻害薬(PPI)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。2. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。3. 赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。中日ドラゴンズの迷走~中日がトレードに出すべきは監督だろう~2022年から立浪和義新監督になりました。春から京田陽太遊撃手は、バッティングの調子が悪く、守備にも悪影響を与えてエラーをしました。立浪監督は試合中に2軍行きを命じました。故星野仙一前監督に育てられた立浪和義新監督はチームに渇を入れるために一種のパフォーマンスをしたのでしょう。落合博満前監督が「試合中に選手を叱ったら、選手は余計にびびって動けなくなる」という旨のコメントをしていました。案の定、立浪監督が2軍行きを命じてから、他の選手も「ちゃんとやらないと2軍行きになる」と硬くなり、打てていた選手まで打てなくなり、守れなくなり、6位の定位置まで真っ逆さまに落ちて行きました。故星野仙一前監督時代は、鉄拳制裁、罵倒、2軍行きが許された時代でした。それを今の選手に当てはめたら、硬くなって動けなくなる。チーム打撃2位の阿部寿樹2塁手を楽天にトレードに出しました。先日は2軍行きを命じた京田陽太遊撃手をDeNAにトレードに出しました。そして獲得した選手は投手ばかり。中日ドラゴンズは投手は揃っていたけど野手が打てずに負ける試合ばかりでした。全く理解できない。中日ドラゴンズは立浪和義監督をトレードに出すのが一番チームを強くする方法だと早く気付いてほしい。