アジサイノココロ

昨日に引き続き今日もお休みです。
お昼から起きて、ご飯を食べて、
また1冊本を読んで…
こんなに穏やかに時間が過ぎる休日は久しぶりです。体調も良くなってきたので、同僚に迷惑をかけた分、
明日からはバリバリ働かないと。



最近仕事がすごく忙しいです。
前にも書いた不穏の患者さんがいたり、バタバタしていることが多くて。
この前もそんなバタバタした中で…ひとりの患者さんに呼び止められました。


「胃が痛いのが治らないんです」


診断は胃炎。
痛み止めの注射は使いました。
胃薬も内服し始めています。
それでも痛みが治まりません…


どうしたらいいんでしょう？


その患者さんのベッドサイドに行って話を聴くと、
「病気が進行しているって聞いてからずっと胃が痛い」
ということ。
そのまま傍に付き添って話を聴きました。
病気のこと、先生のこと、自分の趣味のこと、今不安なこと…
いっぱい話してくれました。
それでも痛みは治まらなくて…
温かいタオルを胃の上から当ててみました。
そのまま話を続けてしばらくして…

「すごく楽になった。ありがとう。」って。
家に帰って痛くなった時にも、お腹をあっためてみようと思う。って、
おっしゃっていました。



なんか、あぁこれって看護なんだなぁって、思いました。


こういう時によくしてしまう対応が、
「薬も使っているから、しばらく様子を見ましょうね」
もちろん胃薬が効いてきて、だんだん胃の痛みは軽減してきます。
対応として間違っているわけではなくて。
でも、これは「治療」なんです。

痛いから痛み止め、気持ち悪いから吐き気止めの薬…

もちろん症状として出ているものが、薬を使わないで治ることってかなり少ない。
話を聴いたり、痛いところをさすったりするだけじゃ治らない。
↑の患者さんも、話をしなくても薬が効いてきて治ったかもしれない。



でも「はいお薬です」って渡すだけなら、看護師じゃなくてもできる。
確かに治療の介助も看護師の仕事です。
でもそれだけじゃなくて、治療とは違う面から患者さんをケアするのも看護。


当たり前のことなんだけど、
忙しかったりバタバタしていると、ついこういうことを忘れがちになっちゃいます。
急変した患者さんがいるのに、他の患者さんひとりの話を長く聴くのは、
物理的に難しい…
実際難しい場面の方が多い。
でも、看護師である以上、そういう気持ちは忘れないでいたいって思います。
自己満足かもしれないけど。



「手当て」っていう言葉の由来を聞いたことがあります。
痛いところがある時、気持ち悪い時…自然と辛い場所に手が行きます。
手を当てていると、当てないよりは楽になった気がしませんか？



看護は治療よりも手当てに近いんだなぁ…と思います。