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カテゴリ:悩む
あるところに Sさん夫妻が居りました 夫妻には子供がありませんでしたが 子供同然に可愛がっている 犬が居ました ところがある日 愛犬は 不治の病にその身を侵されます 治療の甲斐もなく 病気は進行し 苦しむ愛犬 見るに見かねた S夫妻は 安楽死 を 選びました ********************************** S夫妻 共通の知人に Kさんが 居りました Kさんは 人には見えないものを見て 人には聞こえない声を聞く そんな 人でした ********************************** S夫妻が 愛犬を亡くし その痛みが 薄れかけた頃 夫妻と Kさんは 再会します ------------------------------------------------- 愛犬との 楽しかった生活 満ち足りた時間 そして 病魔に冒されてからの 苦悩 選んだ 安楽死 それらを 静かに語る S夫妻 最後に彼らは こう言いました 『今頃愛犬は』 『天国で 元気に 飛び跳ねて 遊んでいるだろう』 『何の 苦しみもなく … 』 寂しそうに 安堵したように -------------------------------------------------- S夫妻の話に耳を傾けながら Kさんは 別の声を聞いていました 声の主は S夫妻の背後にある 暗い犬の影です 影は 繰り返し 吐き捨てるように 訴え続けています 『病気になった途端 見捨てやがって…!!』 ************************************ … 怖いことだよね と 父は 私に言いました これが この夏 一番 私の心に響いたお話です トロさんは いま 何処にいる? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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