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2010.10.16
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カテゴリ:悩む

 あるところに
 Sさん夫妻が居りました

 夫妻には子供がありませんでしたが
 子供同然に可愛がっている 犬が居ました

 ところがある日
 愛犬は 不治の病にその身を侵されます

 治療の甲斐もなく 
 病気は進行し 苦しむ愛犬

 見るに見かねた S夫妻は

 安楽死 を 選びました

 **********************************

 S夫妻 共通の知人に
 
 Kさんが 居りました

 Kさんは
 人には見えないものを見て
 人には聞こえない声を聞く

 そんな 人でした

 **********************************

 S夫妻が 愛犬を亡くし
 その痛みが 薄れかけた頃

 夫妻と Kさんは 再会します

 -------------------------------------------------

 愛犬との 楽しかった生活
 満ち足りた時間

 そして 病魔に冒されてからの 苦悩

 選んだ 安楽死

 それらを 静かに語る S夫妻

 最後に彼らは こう言いました

 『今頃愛犬は』
 
 『天国で 元気に 飛び跳ねて 遊んでいるだろう』
 
 『何の 苦しみもなく … 』

 寂しそうに
 安堵したように

 --------------------------------------------------

 S夫妻の話に耳を傾けながら

 Kさんは 別の声を聞いていました

 声の主は S夫妻の背後にある 暗い犬の影です

 影は 繰り返し 吐き捨てるように 訴え続けています

 『病気になった途端 見捨てやがって…!!』

 ************************************






 … 怖いことだよね

 と 父は 私に言いました

 

 これが この夏
 一番 私の心に響いたお話です

 
 on_the_sholder.jpg トロさんは いま 何処にいる?

 
 





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最終更新日  2010.10.16 23:06:31
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