太陽よ 沈まないで
旅の夜に 携帯のベル音がします。金庫の中にしまったまま。鍵を探しているうちに呼び出し音は止みました。金庫から出して着歴を見ると はるちゃんかけなおしました。はるちゃんどうした?癌が全身の骨に転移したと先生に言われたの。絶句電話はまず私の家にかけたことでしょう。何処か出かけてるの?ちょっと遊びに来てるのごめんね。団欒のところを~はるちゃんの話を聞く事しか出来ません。はるちゃんは大丈夫だよ。絶対大丈夫うん 私もそう思う宿の部屋から眺めた 海を染めて沈んでいった落陽と違ってはるちゃんはずっと沈まないで みんなを照らし続けるよ。沈まない太陽だってあっていいはず旅の宿は 空調も枕も自分に合わず寝苦しい一夜でした。