Vol.5 このまま毛染め、パーマを続けると髪が危ない 第4弾
★アルカリパーマは皮膚のたんぱく質を壊す
私たちの体の大部分は、たんぱく質でできています。 特に、爪や髪の毛はケラチンたんぱく質といって、これは堅くて丈夫な細胞です。 ケラチンたんぱく質は鎖状に結びついているので、弾力性があり、ほかの部分に比べて傷つきにくい性質をもっています。 そのため多少の刺激に耐えることができるのです。 パーマはパーマ液の化学作用で髪のたんぱく質の組織をくずし、ウェーブやボリュームを作ります。 パーマは、まず1剤によってケラチンたんぱく質の鎖を切断します。水素を加えて酸素を奪うのが1剤の役割です。 切断された状態でウェーブをつけ、そのあと2剤の酸化剤で中和させ、元の弾力ある状態に戻します。これがパーマをかけてウェーブを作るメカニズムです。
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一般のコールドパーマではとくに「酸性(弱酸性)パーマ」の名称を使っていなければ、そのパーマはほとんどが強いアルカリ性です。そのため頭皮や髪のたんぱく質の組織を壊してたるみをつくる、膨潤作用を与えてしまう性質があります。 また1剤の酸素を奪う力のほうが、2剤の酸素を返す力よりも圧倒的に強いので、髪の毛から酸素を奪いすぎ、頭皮の生理作用のバランスもくずしてしまいがちです。 人体には自然にそなわった回復力があるため、パーマや毛染めの刺激で多少生理バランスがくずれてしまっても、時間をかければ皮膚がもとの弱酸性に戻ることは可能です。 しかし、もとの状態に回復する時間(約28日)を与えず、次々に刺激を与え、皮膚本来の生理バランスをくずしつづけていると、免疫力はいずれ薄れていきます。 しかも通常のパーマでは、皮膚の弱い人やアレルギー体質の人は地肌や髪にトラブルがおこりがちです。このような場合はよほど間隔をあけてパーマをかけるか、あるいはパーマそのものをあきらめるしかないでしょう。
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| 「私の髪はコシがないからパーマをかけてふんわりさせたいけど、これ以上髪が傷んだら、ますます細くなってペシャンコになってしまうから、パーマはあきらめるわ」
「髪が傷むのは困るけど、パーマをかけないとうまくまとまらないんですもの。だから少しぐらい傷んでも、パーマを止めるわけにはいかないの」 この二人の女性のように、髪の毛や皮膚が傷むのがいやだからパーマをかけないことにするのか、ある程度のダメージなら仕方がないとあきらめてパーマをかけるか、このどちらかしか選択はないのでしょうか。
これについては後ほど、従来のコールドパーマ(アルカリ性)とは正反対の弱酸性パーマの章で詳しく触れたいと思います。 |
※この連載は以下の著書より引用しております。
「髪は弱酸性でどんどんよくなる」
著者:山崎 光信
発行所:株式会社ドリームクエスト