カテゴリ:その他
先日知人から聞いた話を紹介します。 その方が、齢100歳の高僧から伺った話だそうです。
そのお方は7歳でお寺に小僧として修行に入ったそうです。 当時は食べる物もなく、小僧さんはいつもおなかを空かせていました。 唯一の楽しみは、お葬式でした。 お葬式には白いご飯が食べられるからです。 でも、そんなチャンスは小僧さんにはなかなか廻っては来ませんでした。
ところがある日 和尚さんのお供で、お葬式に行く事になりました。 お葬式のあと、お膳の準備をしている間 小僧さんは、縁側で一人待っていました。 ホカホカと湯気のたった真っ白なご飯が おひつに入れられ、縁側に置かれていました。 「ああ~もうすぐあのご飯が食べられる~」 とごくりとツバを飲み込んだそのとき どこからか猫が現れ なんとそのおひつにおしっこをかけたのだそうです。 それを見た小僧さんは、 そのあとお膳に盛られた白いご飯を どうしても食べることができなかったそうです。 「小僧さん、どうしてご飯を食べないんだね?」 と聞かれ 「ちょっと、おなかの調子が悪くて‥」 と言って、ついにご飯を一口も食べませんでした。 せっかくの白いご飯だったのに もったいなかったと思いながらも どうしても食べられなかったのです。
そしてその家の初七日に、再び和尚さんと行く事になりました。 その日はご馳走は出ません。 すると、その家の人に台所に呼ばれました。 「小僧さんは、甘酒はお好きですか?」 と聞かれたので 「はい!大好きです」 と答え、甘酒をいただきました。 「美味しかったです。ごちそうさまでした」 と言ったら 「小僧さんは、この前のお葬式の時ご飯を残したでしょう?」 と言われました。 少しばつの悪い顔をしながら小僧さんは 「はい、おなかの調子が悪かったもので‥」 と答えました。
するとその家の人は にこにこ笑いながら 「その時の残したご飯で甘酒をこしらえたの」 「‥‥」 つまり 最初の困難は回避できたつもりでも 困難は形をかえてやって来る 最初の困難には 勇気を持って立ち向かわなければいけない
という話らしい‥ 一難去って、また一難 とは少し違うかも‥
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