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この本をご存じですか? イギリスの作家メアリー・ノートンの 「床下の小人たち」 原題は「The Borrowers(借りる人たち)」1952年の作品です。 林容吉が翻訳して岩波書店から日本で出版されたのが 1969年
子どもの頃に、この本に出会った幸運な少女がいました。
背丈がわずか12センチのアリエッティは、両親と3人で お屋敷の床下に住んでいました。 お屋敷に住む人たちに気づかれないよう、 衣食住をまかなうために色んな物を借りて ひっそりと暮らしていました。 湯沸かし器のパイプに穴を開けて、お湯を借りたり 画鋲を逆さにしたろうそくたて、糸巻きの椅子、などなど アリエッティたちの暮らしぶりが目に浮かぶようでした。
この本を読み終わった少女は きっと私の家の床下にもアリエッティみたいな一家が住んでいる と思い始めます。 なくしてしまって、いくら探してもみつからないモノは皆 その人たちが使ってくれているに違いない 少女は、この本に出てくる男の子のように 机の引き出しに、小人たちが喜びそうな物を準備しはじめます。 おもちゃの家具や食器 お布団になりそうなハンカチや、クッションにぴったりの ピンクッション… 学校から帰ると、真っ先にそれらを置いた場所に行き 何もなくなっていないことにがっかりし… だけど、いつかなくなることを楽しみにしていました。
小人なんていないよ 誰かに言われて、心の中では(そんなことないよ、いるよ) と思いながら、 「そうだよね」と言ったあの日から 小人はホントに家からいなくなってしまったのだと思います。
アリエッティは、お屋敷にあずけられた孤独な男の子とお友だちになりましたが 人に「見られた」ことで、お屋敷の床下を出て行くことになります。
大人になった少女は この本を、再び読んでみました。 懐かしさとともに、アリエッティと両親、お屋敷に暮らす人たち そしてアリエッティと友だちになった男の子… 登場人物たちの、それぞれに抱えている心模様や事情が良くわかりました。 ドキドキはらはらさせられる場面は、子どもの時と同じでしたしね。
この本を読んだ子ども時代の少女の心に、響いたものはなんだったのだろう 「ここから抜け出したい」「他の世界を見てみたい」という アリエッティの望んだものなのかな?
さて、この「床下の小人たち」が 「借りぐらしのアリエッティ」という映画になるという話を聞き 少しだけショックを受けている、かつて少女だったおばさん 「私の大切な物語をどうするつもり~?」 なんてことを思いながら、観るべきか観ないべきかずっと迷っております。
あ、そうそう 「ゲド戦記」だけは、まだ観ておりません。 これだけは、これからも観るつもりはないのですけどね。
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