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この映画「こつなぎ」は 岩手県の北部にある、二戸郡一戸町小繋地区で 100年にわたって続けられてきた、農民たちの闘いを 3人のジャーナリストたちが克明に記録した ドキュメンタリー映画です。
小繋の住民たちは、集落を抱く小繋山に生活の糧を得ていました。 それは江戸時代から続く入会地(いりあいち)だったのです。 明治6年(1873)の地租改正で、土地に対する私的所有権が 日本に初めて生まれます。 小繋山はそれ以前から管理していた寺の所有となり 住民たちは、税金を払いこれまでと変わらなく山を利用していました。 明治31年(1898)に地権を2500円で買い取られ 他県の貿易商に17300円で転売されます。
大正4年(1915)に集落のほとんどを焼き尽くす大火が発生 家の建て替えのため、小繋山の木を伐採しようとして 地主は山に立ち入ることを禁じ 警察が介入し、阻止されます。 「山に入らなければ生きていけない」 と住民たちは、入会権確認と妨害排除を求める民事訴訟を起こします。 ここから100年におよぶ地域を二分した農民と地主との闘いがはじまるのです。 当時の山里の暮らしを 写真とフィルムと語りで伝えてくれます。 豊かな自然と、北国の厳しい暮らし… そして、入会権が失われていく過程を 農民の証言から丁寧に追っています。 農民の一人が言った 「法律はあとからできた。 そこに暮らして生きてきた村のみんなが使える山があった」 という言葉が胸を打ちます。
小繋事件については、こちらで。
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