私のごほうび
エッセイストのあかね しづかです。小さい頃の話ですが、「ごほうび」という言葉をずっと私は「まほうびん」と勘違いしていました。なので、「ご褒美を買ってあげるね」と言われた母の言葉から、おもちゃの魔法瓶を想像していたのでした。「ごほうび」「ごほうび」「ごほうび」→「まほうびん」「まほうびん」「まほうびん」「まほうびん」・・・となった訳で・・・。まあ、言葉遊びの様なものでしょうか。謎めいた言葉に揺られて、おもちゃの魔法瓶にとても魅力があったのに違いありません。昔のおもちゃって、とても素敵でしたものね。お誕生日やクリスマスなど、限られた日のプレゼントにプラスされる「ごほうび」、これまた、素敵なプレゼントだったのです。今の子供達はどうでしょうか。決まった日にちに欲しいものを買ってもらえる。そうなのでしょうか。せめて私の時代は、誕生日、クリスマス、とお勉強でとても良い点をとった時、また、何かに入選したり、優勝したりした時など、決まった時にしか、欲しいものを買ってもらえませんでした。なので、なにかに一生懸命になって出来た時に「ごほうび」だったのですね。それゆえ、努力の結果が「ごほうび」でした。最近の「ごほうび」は、イベント「癌に生きる」の最優秀賞で頂いた賞品のアップルipad2でございます。 思い出は様々ですが、最近の自分へのご褒美は、多くなってしまったのではないでしょうか。バレンタインデーで渡すよりも自分へのご褒美、デパートで毎月のように流される自分へのご褒美、新しい雑貨や、季節の変化による洋服に付けてのご褒美、母の日もして貰うより自分で購入するご褒美、余りに沢山のご褒美が流れている様な…気がいたします。消費税が5%から8%になった訳ではありませんが、少しは我慢をした方がいいのでは、と考えます。その方がご褒美のありがたみが一層極まり貴重で有り難くかんじられるのではないかと思われます。お金を使うのだけでは無く、様々な形で生まれるものも多いと思います。何気ない形のご褒美が、ほんの少しの瞬間に生まれる事も多いのでは・・・?さりげない気配りを出来るかどうかの問題ですが。難しい問題ですね。同じ視点でものを考えると不思議と同じ答えが出て来てしまう、突拍子も無い事はその場には合わない、そうすると重なる案の繰り返しとなってしまう。大変な事です。おひとりさまの方も、カップルの方も、ご家族の方も、様々な「ご褒美」案、きっと、違う形であると思います。でも、それが「ごほうび」と感じられる時が、一番良いのではないでしょうか。一度、ごゆっくりと話し合ってみてくださいね。 あかね しづか