えー　昔から　ひとの欲　願い事とというものには　
際限のないものでございまして
もし　ひとつだけ願いが叶うとなりますと
とてつもない願いを持ったりするものであります

えー　これからお話いたします話は
戦国の世に　騎馬軍団として恐れらた竹田源信という　武将が
これから　宿敵　植杉神権の敵陣へ攻めるため出陣しようかと
いう矢先の話で・・・・



「親方様！　親方様！」

「何事じゃ　半兵衛！」

「はっ　先ほど　怪しい老人を捕らえました　如何なさいますか？」

「植杉軍の間者かも知れぬ　ここへ連れてまいれ！　わしが直々に吟味いたす」

というわけで真っ白な着物を着た　
地に着くかというような長い白いヒゲをたくわえた
老人が縄を着けられて源信の前へ連れてこられました




「親方様　連れてまいりました　この老人でございます」

「うむ　おい　ジジイ　そのほう　植杉軍の間者であろう　正直に申せ」

「いいえ　私は　ただそこの裏山を通りかかっただけでございます」

「うそを申せ　本当は何者じゃ　言え！　」

「本当のことでございます」

「そうか　ならば　もうよい　半兵衛　その者を斬って捨てぇ！」

「お　お待ちくださいませ　
　実は　私は全国を旅しております仙人でございます
　先ほど申し上げましたとおり　ただ旅の途中　　
　　　　　ここが陣中とは知らず　通りかかっただけでございます」

「何？　そのほう　仙人じゃと申すか　証拠はあるのか　証拠は」

「はい　もし縄をお解きいただければ　印が結べます　
　そうすれば　あなた様の願いをひとつ叶えましょうぞ」

「願いをひとつとな　本当じゃな　よし　縄を解け！」

というわけで　
この老人の縄を解いたわけでございます




「おお　ありがたや　では約束です　あなた様の願いは？」

「ふむ　わしの願いか
　見ての通り　わしは一国を預かる武将である　
　戦国の世を生き抜くには　金が必要じゃ
　わが国の金山も　かなり掘り尽くした
　そうじゃ　　金じゃ　金が欲しい」

「では　どれほどの量でございますか？」

「いまここで　そのほうに　金を出してもらっても
　やがては　尽きる　
　そこでじゃ　
　わしが命じた物が全て金に変わるようにはできぬか？
　そうすれば　軍資金に困る事はない
　そうじゃ　それがよい
　おい　ジジイ　わしが命ずれば命じたものが　金に変わるようにいたせ」

「ほう　そのような　カワイイ願い事でよろしいか
　ならば　あなた様が命じたものは　全て金となる呪をお掛けいたす　では・・」

ということで　この老人　なにやら両の手で印を結びますと
呪文をば唱えます

「臨！兵！闘！者！皆！陣！列！前！行！成金成金　金綺羅金　エイッ！
　　　　　　　　これにて　あなた様がお命じなれば　金に成りましょうぞ」

「うむ　ご苦労　ところでジジイ
　縄を解く約束はしたが　命まで助ける約束はしておらぬ
　半兵衛　この者を　斬って捨てぇ」

「おやおや　あなた様は　器が小さいお方で
　それでは　天下は取れませぬぞ　
　では失礼いたす　
　臨！兵！闘！者！皆！陣！列！前！行！　霧散昇天　エイッ！」

と再び　印を結びますと　この老人　呪文とともに　消えてうせてしまいました




「ややっ　ジジイのヤツ　消えおった
　まあ　よい　半兵衛　小石を集めてまいれ」

「小石でございますか？　はい　ただいま
　
　親方様　集めて参りました　これこのとおりに」

「うむ　そこへ置け
　いまからこの小石を　金に変えるぞ　
　よいか　見ておれ　　半兵衛」

と半兵衛に石を集めて来させますと
源信　コレへと向かって　真顔になって　
金に変わるように命じております　

「石よ　金に変われ

　・・・・・

　金に変われ

　・・・・・」

と源信が　何度命じても石は金には変わらない

「変わらぬではないか　
　あの　法螺吹きジジイめ　
　まあ　よいは　もとより期待はしておらぬ」

と小石を投げ捨てまして
半兵衛に向かって出陣を告げます
　
「出陣の時刻じゃ　半兵衛　出陣じゃ　出陣の用意を！！！！」




さて
鳴り響く法螺貝の音の中
双方の軍勢が入り乱れております

これが　世にいう　川中美幸島の合戦

まあ　竹田軍はもとより騎馬軍ですので機動力にとんでおりまして
一気に　みるみるうちに　植杉軍の陣地へと攻め込んで参ります

「おい　半兵衛　なにやら
　わが兵の動きが敵陣地に入ってから少し変ではないか？　如何いたした」

「変でございますか？　親方様」

「こう　なんと申すか　もう少し斜め後に後退して　敵を避ければよいのに・・・」
　

「はっ　先ほどから　そのように親方様の伝令は兵に　出しておりますが」

「では　何故じゃ
　わしは命じているのになぜ　なぜ　斜め後に下がらん！
　なぜ下がらんのだ！！

　・・・・・・・・

　ああなるほど・・・

　あのジジイ　やはり　本物の仙人であったわ」

「本物なのですか？」

「ほれ　見てみい　半兵衛
　本当に　わしが　命じた者は　みんな　敵陣で金に成りおった・・・・」








スペシウム天然水さんよりのWish Listバトン協賛作品
おわり






解説：

※将棋の「金将」の駒は斜め後には下がれません
※敵陣に、自分の駒が入ると、その駒は「成る」ことができ、
　駒が成ると、銀将・桂馬・香車・歩兵はすべて、金将と同じ動きをすることがで　きるようになります。


　

純金製 小判 （戌・小）
　

爆発的シリーズ 詰将棋 初級編　
　



【1本208円X6本】アサヒ　富士山のバナジウム　天然水　2L（Natural　Mineral　Water）